桑原水菜

9月23日千葉県生まれ。中央大学文学部史学科卒業。1989年下期コバルト読者大賞を受賞

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遺跡発掘師は笑わない 17
災払鬼の爪
桑原水菜
角川文庫



2023/12/16
令和5/4/25 発行


遺跡発掘師は笑わない 16
榛名山の眠れる神

桑原水菜

角川文庫




2023/9/21

2022/8/25 発行

〈鬼の手〉は死んだ――力を失った天才発掘師が、己の夢と未来に向き合う!
 榛名山の噴火で埋もれた災害遺構から出土した千両箱が行方不明に。独自に調査していた萌絵は「強心隊」と名乗る集団に行きつくが、なんと根城に軟禁されてしまう。彼らの目的は一体――?

 一方〈鬼の手〉を失った無量は、遺物の声を聞くこともできず、無力さを噛みしめていた。さくらとミゲル、建設会社棟方組の面々も揃って千両箱の捜索にあたるが、「高屋敷」という男をリーダーとする謎の集団に阻まれてしまう。頼りの忍も、千両箱盗難の参考人として警察に連行されてしまい……。
天才発掘師は、このピンチをどう切り抜ける?

 「開ければ山が噴火する」という千両箱を奪取せよ!神の眠る火山をめぐる、壮大な歴史大河ミステリ。

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 第1章 強心隊の密命
 第2章 高屋敷史哉
 第3章 十曜紋の旗のもとに
 第4章 博徒と御神鏡
 第5章 厳補御魂
 第6章 祈るがごとく光らしめ
 終章

 登場人物が多くて覚えきれないことや、幕末の小栗上野介や徳川家康の話になって、なかなか難しい。


遺跡発掘師は笑わない 15

榛名山の荒ぶる神



桑原水菜

角川文庫



2023/5/15

2022/6/25 発行
 宮内庁職員の降旗から、海外で新たに起ち上げる発掘派遣事務所への移籍を打診された無量は、迷いながらも群馬の発掘現場へ赴いた。学術調査が目的だが、依頼人は無量の〈鬼の手〉に期待し、わざわざ指名してきたのだという。

 発掘現場である、榛名山の噴火で埋もれた集落遺構からは、徳川埋蔵金と思しき千両箱が出土し、大騒ぎに。なんと中には古墳時代の埴輪が入っており、マスコミも取材に押し寄せる。しかし無量は、宝を前にしても全く反応しない自身の右手に強い不安を覚えていた。これほどのものが埋まっているというのに、右手は全く熱くならなかったのだ。〈鬼の手〉を失った自分は、いったい何者なのか――。
しかも無量を狙う民間軍事会社GRMの動きも怪しく……!?


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『渋川市には、古墳時代に2度起こった榛名山の大噴火によって埋没した遺跡が数多く存在しています。

  その中には、国内で初めて古墳時代の甲(よろい)を付けた状態の成人男性の骨が見つかったことから「奇跡の発掘」と称される金井東裏遺跡を始め、「日本のポンペイ」と呼ばれる黒井峯遺跡などがあり、これらの遺跡は古墳時代の文化を現代に伝えるタイムカプセルとなっています。』(渋川市観光情報より

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 榛名山(はるなさん)は上毛三山(赤城山、妙義山、榛名山)のひとつで、那須火山帯に属する火山です。山頂付近にはカルデラ湖の榛名湖があり

 第一章 日本のポンペイ
 第二章 〈鬼の手〉は死んだ
 第三章 迦葉山の天狗
 第四章 天明三年の奇跡
 第五章 アズマテラスの鏡


遺跡発掘師は笑わない 14
三体月の呪い

桑原 水菜

角川文庫





2023/2/26

2021/11/25 発行
和歌山の発掘現場から出土した経筒には人形の頭が入っていた。それを見た作業員の佐分利は、家に伝わる「道成寺雛」を無量に見せる。その女雛には頭がなかった。佐分利家には「三体月を見た者は死ぬ」という言い伝えがあり…。
 「天才発掘師」の噂を聞きつけた地権者から依頼を受け、和歌山へ赴いた無量。平家の落人伝説が残る、風光明媚な町だ。しかし、意気込んで向かった発掘現場で、無量の身に立て続けに不穏なことが起こる。聞こえるはずのない声が聞こえたり、誰かに腕を掴まれたような気がしたりするのだ……。
不穏な気配を感じながら発掘作業を進めると、現場からは経筒(きょうづつ)が出土した。経巻を保護するための筒形容器だ。経筒から出てきたのはなんと、人形の頭(かしら)。それを知った発掘現場の同僚で元舞台俳優の佐分利亮平は、無量を家に招く。佐分利家には、「道成寺雛」という内裏雛が代々伝わっていた。その雛人形を見た無量はぞっとする。女雛には頭がなかったのだ……。経筒の中に入っていた頭はその女雛のものなのでは、と疑う亮平に、カメケンチームは結託して、この内裏雛の謎を解こうとするが、そんな最中に亮平が事故に遭う。背後には「安珍清姫」伝説や、佐分利家に伝わる「三体月の呪い」の言い伝えも絡んでいそうで……?

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  • 序章
  • 第一章 こいのぼりのない町
  • 第二章 陰雛をまつる家
  • 第三章 死を呼ぶ三体月
  • 第四章 南龍のすみか
  • 第五章 大峯の修験者
  • 第六章 〈安珍〉の野望
  • 第七章 空海の遺産
  • 終章

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遺跡発掘師は笑わない 13
九頭竜のさかずき
桑原水菜
角川文庫



2023/2/25
2021/5/25 発行
 福井県の九頭竜湖近く、鹿殿集落にある墳墓の調査依頼を受けた無量は、忍と共に現地へ赴く。
そこは道路建設予定地で、住民が工事を拒んでいるため、理由を探ってほしいという。
辿り着いた集落は、多数の化石が眠る宝庫だった。山中を探索したふたりは、謎めいた青い石室と石塔を見つける。住民が反対する理由はここに?
しかもそれらは、福井の戦国大名・朝倉氏の伝説と、なんと恐竜にも関係がありそうで……。

序章
第一章 化石の国の無量
第二章 一乗谷朝倉氏遺跡
第三章 龍の墓の守り人
第四章 青い瞳のヘイロン
第五章 金獅子は死なず
第六章 その婚姻を阻止せよ
第七章 ダムに沈んだ神
終章 龍が見た夢

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  朝倉氏のことなど、知らなかったことがたくさんあり、非常に勉強になった。
 


遺跡発掘師は笑わない 12
あの時代に続く空
桑原水菜
角川文庫



2023/1/31
2020/11/25 発行


  • 第一章 佐々木家の庭、掘るべからずーーー東京・山の手で民家の庭の発掘を依頼された無量と柳生。出土した美しい茶器には、江戸の歴史を揺るがすほどの秘密が隠されていて……。
  • 第二章 あの時代に続く空ーーー鶴谷と無量が挑む土人形の謎
  • 第三章 神がかりの少年は笑ったーーー15歳の無量と亀石の出会い
  • 第四章 縄文カフェへようこそーーー休日、奥多摩へBBQに出掛けたカメケン一行。
    渓流釣りや飯ごう炊さんを楽しんだ後、すぐ近くに建つ、手作り感溢れる「森の縄文博物館」に立ち寄ることに。だが、今は亡き創設者の孫曰く、さまざまな事情で近く閉館せざるを得ないらしい。素晴らしい展示品が揃うこの博物館を救うため、忍が思いついた起死回生の一手とは――!?

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遺跡発掘師は笑わない 11
鬼ヶ島の証明
桑原水菜



2023/2/14
2020/4/25 発行
戸川海運会長・戸川孝之助に依頼され、瀬戸内海に点在する塩飽諸島のうちのひとつ、香川県丸亀市本島に向かった天才発掘師・西原無量。ギャラは破格で羽振りのよさが窺えるその現場には、無量の他に
犬飼、鳥海、猿渡という3人の発掘師も呼ばれていた。発掘調査が始まった日、無量の元に鬼を名乗る人物からの嘆願書が届く。

どうかお願いです。
桃太郎が鬼の宝を狙っています。
やつらを退治してください。私たちの宝を守ってください。
あなただけが頼みです。

「桃太郎伝説」の真実とは――。桃太郎とはいったい誰なのか――。

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 第1章 無量、塩飽の島を掘る
 第2章 鬼からの嘆願書
 第3章 温羅と吉備津彦
 第4章 発掘ボイコット
 第5章 もうひとりの桃太郎
 第6章 観音は見ていた
 第7章 いとしき者は海に消え

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遺跡発掘師は笑わない 10
勤王の秘印
桑原水菜



2023/2/12
2019/8/25 発行
 天才・西原無量が所属する亀石発掘派遣事務所の所長・亀石の元に「庭から銅印が出た」と相談の連絡が入る。どうやら「出ては困るもの」らしく、無量と萌絵が極秘で高知へ向かうこととなった。
銅印を確認すると、なんとそこには「天皇御璽」と施されていて──。
 さらに刀を持った不気味な男に「御璽に関わるな」と襲われて!?本物でも贋物でも許されざる1つの印からの因縁の渦に巻き込まれていくーーーーー。

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 第1章 あり得ない遺物
 第2章 博物館のリョーマ
 第3章 宮内庁書陵部・特別調査チーム
 第4章 御璽の衛士
 第5章 花山院の野望
 第6章 桜間と栗賀
 第7章 西の天皇
 第8章 その想いは土の中に

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 高知が舞台


遺跡発掘師は笑わない 9
縄文のニケ

桑原水菜
角川文庫



2023/2/21
2019/1/25 発行
数多くの縄文遺跡がある長野県諏訪地方。若き天才発掘師・無量はその中の1つ、御座遺跡で発掘を行うことに。だがそこで、過去に祖父が起こした遺物捏造事件の関係者・理恵と再会してしまう。さらに、不気味な文様のついた土器片を発見するが、その文様を見た理恵は“呪いのカエルだ”と激しく動揺し……!?
一方、縄文フェスティバルの準備を手伝っていた萌絵は諏訪大社で、古代神を祀る新興宗教の一団と遭遇し、不穏なものを感じていた。その新興宗教には無量の幼なじみ・忍の、鳳雛学院時代の同級生も関わっているらしく──

 序 章             
 第一章 縄文の王国         
 第二章 多田理恵         
 第三章 カエル人間は目覚めた   
 第四章 神隠しの森        
 第五章 呪いの女神        
 第六章 縄文のニケ        
 第七章 オコウになれなかった男  
 第八章 教主誕生         
 第九章 ミシャグジをおろせ   

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遺跡発掘師は笑わない 8
君の街の宝物

桑原水菜
角川文庫



2022/11/2
2018/1/25 発行
  新居建築予定の、東京郊外の住宅地で行われる発掘調査。幼稚園児も参加できる、採石場での化石発掘会。戦国時代の山城・八王子城は、発掘現場に幽霊が出るとの噂で持ちきりで!?実はあなたのすぐ側で、数多くの「発掘」が行われている―天才発掘師・無量が身近でささやかな「宝物」を探しだす、心温まる4編を収録。無量と幼なじみ・忍の幼少時代や、萌絵たち亀石発掘派遣事務所の日常も描かれる、珠玉の短編集!(Bookデータベース)

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 君の街の宝物ーーー昔の、子供のための宝探し
 フタバスズキリュウに会う日ーーー子供の頃の無量と忍(無量の発掘のきっかけ)
 夢で受けとめてーーー八王子城の幽霊の鏡
 決戦はヒストリーツアーでーーーコーディネーター試験

 短編だけど中身が濃い、どの編もとても良かった。



 


遺跡発掘師は笑わない 7
元寇船の紡ぐ夢

桑原水菜
角川文庫



2022/10/8
2017/7/25 発行
 天才発掘師・西原無量は鷹島沖の海底遺跡で黄金の剣を発見するが、何者かに奪われてしまう。
同じ調査チームのダイバー・黒木と共に犯人捜しをはじめるが、犯人とおぼしき男は死亡。
その背後には、国際窃盗団コルドとその幹部バロン・モールの暗躍があるらしい。
この剣は高麗の「忠烈王の剣」か、あるいは黒木家に伝わる家宝「アキバツの剣」か? 
歴史に秘められた真実がまた一つ明らかになる! 文庫書き下ろし、シリーズ第7弾!

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遺跡発掘師は笑わない 6
元寇船の眠る海

桑原水菜
角川文庫



2022/8/6
2017/5/25 発行
 玄界灘に面し元寇の島として知られる、長崎県鷹島。その南岸にある海底遺跡の発掘チームに派遣された、天才発掘師・西原無量。蒙古襲来の際に沈んだ、元寇船の調査が目的だ。昔なじみの腐れ縁コンビ・広大や、水中発掘の第一人者・司波、一匹狼のトレジャーハンター・黒木などチームは精鋭揃いで、沈船からは次々と遺物が発掘される。そんな中、無量は美しい黄金の短剣と大量の銅銭を発見し皆を驚かせる。だがそれは、決して目覚めさせてはいけない遺物だった──。
今度の舞台は九州北部! 文庫書き下ろし、遺跡発掘ミステリ第6弾!


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遺跡発掘師は笑わない 5
悪路王の左手
桑原水菜
角川文庫



2023/1/12
2016/8/25 発行
 岩手の祖波神社跡で「三本指の右手」に続き「金の薬指」を掘り当てた天才発掘師・西原無量。鬼の墓との言い伝えもあるこの場所には、一体何が秘められているのか。一方「悪路王の首」を祀る鬼頭家では、二代にわたり当主が変死していた。真相を探る忍だが、そこには鬼頭家の息子・陽司と、謎の韓国人・ペクが深く関わっていて……!?
震災後の東北・岩手の地に隠された、壮大な歴史の秘密とは。全てが明かされるシリーズ第5弾


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遺跡発掘師は笑わない 4
悪路王の右手
桑原水菜
角川文庫



2022/10/31
2016/6/25 発行


 若き天才発掘師・西原無量が陸前高田の古い神社跡で掘り当てた、指が3本しかない右手の骨。地元民は「鬼の手ではないか」と噂する。一方、亀石発掘派遣事務所の忍が訪れた平泉の遺跡発掘センターでは、出土品の盗難事件が発生。現場には毘沙門天像が描かれた札と“悪路王参上”の文字が残されていた。犯人の「犯行声明」が意味するものとは。そして更なる事件が起こり…!?(bookデータベース)

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  遺跡の説明や地域の説明も分かり易く、読みやすかった。以前はせっかくの蘊蓄を為になるとは感じなかったが、今回は良かった。読み慣れてきたのかな。


遺跡発掘師は笑わない 3
まだれいなの十字架
桑原水菜
角川文庫



2022/10/23
2015/8/25 発行
天才発掘師・西原無量が手がけることになった長崎県南島原市、日野江城下のキリシタン遺跡から、天正遣欧少年使節団ゆかりとみられる黄金の十字架が出土する。だがそれは何者かが意図的に仕込んだ、いつわりの遺物だった。捏造疑惑に巻き込まれ窮地に陥った無量を、つらい過去の記憶が容赦なく苛む。果たして誰が、何のために十字架を埋めたのか。そして事件の裏に張り巡らされた驚くべき陰謀とは…?シリーズ第3弾!【「BOOK」データベース】

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遺跡発掘師は笑わない 2
出雲王のみささぎ

桑原水菜
角川文庫



2022/7/26
2015/4/25 発行
次々と国宝級の遺物を掘り当てることから天才と呼ばれる若き発掘師・西原無量が派遣されたのは、神々の集う島根県出雲市。だが発掘現場の厳谷は、対立するふたつの旧家、降矢家と八頭家にゆかりの神域で、うかつに手をつけると祟りがある…と地元で囁かれている場所だった。不穏な空気の中、無量の手で青銅製の髑髏が出土。それと呼応するように、発掘現場では八頭家の跡継ぎ・孝平が遺体で発見されて…。シリーズ第2弾!

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遺跡発掘師は笑わない 1
ほうらいの海翡翠

桑原水菜
角川文庫



2022/7/11
2014/12/25 発行
 永倉萌絵が転職した亀石発掘派遣事務所には、ひとりの天才がいた。西原無量、21歳。笑う鬼の顔に似た熱傷痕のある右手”鬼の手”を持ち、次々と国宝級の遺物を掘り当てる、若き発掘師だ。大学の発掘チームに請われ、萌絵を伴い奈良の上秦古墳へ赴いた無量は、緑色琥珀”蓬莱の海翡翠”を発見。これを機に幼なじみの文化庁職員・相良忍とも再会する。ところが時を同じくして、現場責任者だった三村教授が何者かに殺害され・・・・・・・。

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 夢中で一気読み、ということにはならなかった。古代史の蘊蓄が語られるが、進展がじれったくて何度も中断した。古代史も遺物の蘊蓄も、知ることができて嬉しいと感じられなくて、いまいちだったな。古代史は好きだし、このあたりは歩いて廻ったのでよく分かるのだが。

 亀石や無量や萌絵の3人のキャラはなかなか良かった。



炎の蜃気楼
桑原水菜
集英社文庫



2022/7/27
1990/11/10 発行
桑原水菜のデビュー作。 甦った戦国時代の武将などの霊(怨将)が、天下をかけて戦いを繰り広げる闇戦国。 毘沙門天の加護を受け、彼らを調伏して冥界に送る使命を科せられ、生者の肉体を奪う「換生」を繰り返しながら400年もの間生き続けてきた上杉夜叉衆の活躍と苦悩、宿敵織田信長との闘いを描くサイキック・アクション。

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 これはシリーズで延々と続くようだ。1冊だけ読んでみた。
 昔から嫌いではない設定だけど、この作品はいまいちの感じ。ライトノベルだからか。

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