有川 浩 (ありかわ ひろ)

高知で育ち、進学時に関西へ。現在、ちょっと(かなり)怠惰めの主婦として関西暮らし十有余年目。
お国訛りが未だに抜けず怪しいニセモノの関西弁を操る、郷里を語るとちょっぴり熱いプチナショナリスト(県粋主義者)。
第10回電撃小説大賞<大賞>受賞作『塩の街』(小社刊)にて作家デビュー。
代表作は『空の中』『海の底』。小説誌「野生時代」(角川書店刊)にも不定期連載中。

イマジン?
有川 ひろ
幻冬舎



2021/2/13
2020/1/25 発行
想像力は、あるかい?
 憧れの映像制作の現場に飛び込んだ、良井良助(27歳)。聞き慣れない業界用語が飛び交う現場に戸惑う日々だが、そこは現実と物語を繋げる、魔法の世界だった。「必死で知恵絞って想像すんのが俺たちの仕事だ」
 やがて良助は、仲間たちが作品に傾ける熱意に、焦がれるような思いを募らせていく??。
 走るしか能のない新米、突っ走る!行き先は、たぶん未来。
 「有川浩」改め「有川ひろ」の、
お仕事小説&ベタ甘ラブコメ。
 涙と笑顔と元気が湧いてくる、待望の最新小説! (Bookデータベース)

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 久しぶりの小説、期待に違わず、読みやすく楽しい。映像制作現場のことが良助の体験を通して良く伝わってくる。若者の成長物語でもある。
 いつも読後感がいい。


明日の子供たち
有川 浩
幻冬舎文庫



2018/9/20
2018/4/10 発行
 児童養護施設に転職した元営業マンの三田村慎平はやる気は人一倍ある新任職員。
愛想はないが涙もろい三年目の和泉和恵や、理論派の熱血ベテラン猪俣吉行。谷村奏子・聞き分けのよい“問題のない子供”16歳。平田久志・大人より大人びている17歳。想いがつらなり響く時、昨日と違う明日が待っている!児童養護施設を舞台に繰り広げられるドラマティック長篇。(Bookデータベース)

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 1 明日の子供たち
   八年前のこと。(カナ)
 2 迷い道の季節
   九年前のこと。(杏里)
 3 昨日を悔やむ
   十年前のこと。(猪俣)
 4 帰れる場所
   去年のこと。(久志)
 5 明日の大人たち

  安定の読みやすさ。伝えたいことがしっかり伝わった。
 作品を書くきっかけとなった子供たちの作家を選ぶ目も確かだったと言うことかな。


アンマーとぼくら

有川 浩
講談社



2017/9/11
2016/7/19 発行
 休暇で沖縄に帰ってきたリョウは、親孝行のため「おかあさん」と3日間島内を観光する。一人目の「お母さん」はリョウが子どもの頃に亡くなり、再婚した父も逝ってしまった。観光を続けるうち、リョウは何かがおかしいことに気がつく。かりゆし58の名曲「アンマ―」に着想を得た、書き下ろし

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 参った。
 読んでいるとポロポロ涙がこぼれる。特別なことを書いていないのに心が反応してしまう。
 途中から、リョウかおかあさんのどちらかが死ぬんだな、と思いながら読んだ。
 

 やっぱり、というかあれ?というか・・・・・・・。

 読後感が悪くなかったので良かった。

 
 


キャロリング
有川浩
幻冬舎



2016/7/14
2014/10/25 発行
タイトルの『キャロリング』は、クリスマス・キャロルを歌いながら街を練り歩くことを意味する言葉

 大和俊介が務める子供服メーカー『エンジェル・メーカー』は経営不振で12月25日で「クリスマス倒産」することとなった。学童保育もしており、ただ1人 田所航平だけは最後の日まで世話になることになっていた。航平の両親は別居中で母親の圭子と共に年明けには海外に行く予定だった。両親に離婚して欲しくな い航平は何とかして両親を仲直りさせるべく、大和の同僚の折原柊子と共に父親の祐二の居る横浜へと向かう。横浜の整骨院で借金取りのチンピラに遭遇する。元恋人たち、崩壊寸前の家族、訳ありのチンピラたちが絡んだ奇跡の物語。

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  一気に読んでしまった。
 恋愛小説は好きではないのに、有川さんのものは読んでしまう。 
 

 


倒れるときは前のめり

有川 浩
角川書店



2016/6/10
2016/1/27 発行
初のエッセイ集
 日々の生きるつれづれ、創作の裏側、大好きな本や映画、敬愛する人びと、ふるさと高知のことなど、デビュー書籍刊行前から現在までに綴った90本超に、それぞれ振り返りのコメントを書き下ろし。
現在入手困難な「ほっと文庫」に収録された短編「ゆず、香る」と、片想いがテーマの恋愛掌編「彼の本棚」の、小説2編も特別収録。

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空飛ぶ広報室


有川浩

幻冬舎




2015/12/21

2012/7/25 発行
 あらすじーー突然の事故でP免(パイロット罷免)になった戦闘機パイロット空井大祐2等空尉は 防衛省航空自衛隊航空幕僚監部広報室に転勤したばかりの新人広報官。ミーハーで詐欺師並みの交渉術を持つ鷺坂正司をはじめ、ガサツすぎて残念すぎる美人・ 柚木典子や、鷺坂ファンクラブ1号で柚木をして曰く「風紀委員」の槙博己、鷺坂ファンクラブ2号のマイペースなオレ様・片山和宣、フォロー上手の指導担 当・比嘉哲広など、個性の強い先輩たちに囲まれながら勤務をしている。
 そんな中、鷺坂の命令で空井は帝都テレビのニュース番組「帝都イブニング」のディレクターで元報道記者だった稲葉リカのアテンド役に命じられる。リカは勝ち気で上昇志向が強く不本意な異動に不満を覚えているうえに、自衛隊にいい感情を持っておらず、アテンド役の空井に挑発的な言動をとり、それを見かねた空井はついにリカと衝突を起こしてしまう。(ウィキペディア)

      ******************** 既にテレビでは見ていたし、ストーリーは知っているのだから読むのはやめようか・・・・・・・・と思ったが、読めばやはり面白い、文が楽しませてくれる。
 一般人がどれほど自衛隊を誤解しているのかーーー戦闘機は人殺しの道具ではない、人を殺したいと思ったことは無い――自衛隊が動くときは基本的に不幸があった時、だから自衛隊は訓練を重ねながらも出動しないこと、無用の長物であることが望まれるーーー
 誤解を解くためにも広報活動は必要だが、やり方や姿勢が難しいというのが読んでいて少しわかってきた。

 巻末に「あの日の松島」が収録されている。松島基地も被災しているが、無事だった隊員を全投入して災害救助活動をしたという。

 『空飛ぶ広報室』は「有川 浩」(ありかわ ひろ)さんの作品のタイトルから名前を頂きました。
 というあいさつで始まる航空自衛隊 航空幕僚監部 総務部 広報室を紹介するサイトがある。


旅猫リポート

有川浩

文芸春秋



2013/12/21

2012/11/15 発行
 秘密を抱いた青年と一匹の相棒は“最後の旅”にでた。
一人と一匹が見る美しい景色、出会う懐かしい人々。心にしみるロードノベル。
 子供の頃から日本各地に引越しを繰り返してきたサトルは、相棒猫ナナを連れて、懐かしい人々を訪ねる旅に出る。
 家業を継いだものの妻が家出中の幼馴染、今 や立派な農業家となった中学時代の親友、高校・大学の同級生同士で結婚してペンションを営む友人カップル……行く先々で思い出を語る時間は、サトルとナナ を迎える人々の胸の内にもささやかだが大切な変化を芽吹かせてゆく。そして旅の果てに1人と1匹が見る風景とは

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 涙をぽろぽろ流しながら感動して読んだが、そういうものは感想をまとめにくい。
 映画でも幼い子と動物には勝てないというが、動物だったからこんなに涙が止まらなかったのだ、ずるいなあ。猫の目線で、猫の言葉で語る部分がとてもいい。

 優しいサトル君の優しい心意気と、やや利かん坊の猫の、一途な心意気が一つになって、大きな感動を呼ぶ。ーーーこれは作家佐藤さとる氏の言葉、さすがだな。
 
 ユーモラスなんだけど、心にぐっとくる、エピソードの数々。
 著者によると、舞台のために考えた物語だという。


三匹のおっさん 
ふたたび

有川浩
文芸春秋


2013/3/28
2012/3/30 発行
 剣道の達人・キヨ、柔道の達人・シゲ、機械をいじらせたら右に出る者なしのノリ。「還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか!」と、ご近所の悪を斬 るあの三人が帰ってきた! 書店万引き、不法投棄、お祭りの資金繰りなど、日本中に転がっている、身近だからこそ厄介な問題に、今回も三匹が立ち上がりま す。ノリのお見合い話や、息子世代の活躍、キヨの孫・祐希とノリの娘・早苗の初々しいラブ要素も見逃せません。漫画家・須藤真澄さんとの最強タッグももち ろん健在。カバーからおまけカットまでお楽しみ満載

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やはり素晴らしいおっさんたちだ。
そして、思い上がらないし、やりすぎないのがいいのだろう。孫同士のかわいい恋愛もいい。
楽しくもあり、少し考えさせられもするし、いい物語だった。
このイラストも絶品だ。


ヒア・カムズ・ザ・サン
有川浩
新潮社



2012/11/23
2011/11/20 発行
 真也は30歳。出版社で編集の仕事をしている。彼は幼い頃から、品物や場所に残された、人間の記憶が見えた。強い記憶は鮮やかに。何年経っても、鮮やか に。
 ある日、真也は会社の同僚のカオルとともに成田空港へ行く。カオルの父が、アメリカから20年ぶりに帰国したのだ。父は、ハリウッドで映画の仕事をし ていると言う。しかし、真也の目には、全く違う景色が見えた…。わずか7行のあらすじから誕生した二つの小説。大切な人への想いが、時間と距離を超え、人 と人とを繋げていく。有川浩meets演劇集団キャラメルボックス。小説×演劇の全く新しいクロスオーバーから生まれた物語の光。

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この作品は、何が言いたかったのかなあ?


県庁おもてなし課


有川 浩


角川書店





2012/2/7


2011/3/31 発行
この作品も、また楽しくわくわくさせてもらった。

高知県庁におもてなし課は実在するそうな。なんてくだけたネーミング!

観光立県を目指し、県外観光客を「おもてなし」する心で県の観光を盛り立てようというコンセプトそのままに、親しみやすさを狙って課名がついた。観光部おもてなし課なのだ。

 県出身の有名人を 「観光特使」に任命して、県の魅力をPRしてもらう。ところがお役所というのは、外の世界とは時間の観念が違い、もたもた、ぐずぐずして一向にはかどらない。
「観光特使]の一人小説家の「吉門喬介」から担当の掛水史貴に、アイデアも励ましもダメ出しも入り、おもてなし課の活動が少しずつだが、活発化していく。頭の固い役所仕事に終わらせないため「民間感覚」をいれるのに、若い女性も入り、担当者掛水の成長物語でもあるし恋物語でもある。

 あとがきに「高知には酒の肴に天下国家を語る親父が佃煮にするほど生息している」その一人・作者の父上の話から「パンダ誘致論」を作品の中では作り出している。これは、フィクション。

 高知県て、こんなに魅力がある県だったの?と思いながら、役所というのはこれほど民間感覚から隔たっていたのか、上から目線だったかと改めて気づかされた。

 故郷に帰りたくても帰れなかった吉門喬介のわだかまりや、いじらしい佐和の恋心が、有川氏らしい筆致で描かれて、「えっ!こんなところで泣かされちゃったよ」と感動してしまった。

 巻末には、おもてなし課の課員二人、食環境ジャーナリスト・金丸弘美氏、有川氏の鼎談「物語が地方を元気にする!?」やウチのおもてなしーーー各県・市の観光課がPR競作の観光広告も紹介している。

本書は、高知新聞、山梨日日新聞、岩手日報、南日本新聞、北海民友新聞、福島民友新聞、上越タイムスに掲載されたもの。
 楽しく勉強させてもらった。


ストーリー・セラー


有川 浩



新潮社




2011/12/25

2010/8/20 発行
 小説家と、彼女を支える夫を襲ったあまりにも過酷な運命。極限の決断を求められた彼女は、今まで最高の読者でいてくれた夫のために、物語を紡ぎ続けた―。極上のラブ・ストーリー。「Story Seller」に発表された「Side:A」に、単行本のために書き下ろされた「Side:B」を加えた完全版。

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「『ストーリー・セラー』はいつ本になるの?」
        「あれは分量がハンパだからちょっと収録しにくくて・・・」

        前は女性作家が死ぬ話だったろ?
        今度は女性作家の夫が死ぬ話にしてみたら?

  上記のように、SideAとSideBは、つながっていく。Side:Aの 「ストーリー・セラー」 は、Side:B では、この女性作家が書いた...ということになるのだ。

 Side:A は、女性作家自身が亡くなるお話。
 Side:B は、女性作家の夫が亡くなるお話。

 Side:A では、女性作家を精神的に追い詰めたのは肉親と、昔の文芸部の仲間達、読後感は爽やかではない。夫の献身ぶりが痛々しい。

 Side:A での直接の死因は "世界でたった一人の奇病(思考で脳を使えば使うほど劣化する)という、かつて症例のない病気" だった。この "奇病" は突飛過ぎて少し違和感を感じた。まるでSF的だ。

 Side:Bでは夫が "すい臓に腫瘍" という。

 Side:A は読んでいると女性作家と有川氏が重なってしまいそうだ。そこが、現実はどうなんだろうと考えながら読むのも、面白みの一つかも。


シアター! 2


有川 浩


メディアワークス









2011/10/8



2011/1/25 発行

 「2年間で、劇団の収益から300万円を返せ。できない場合は劇団を潰せ」―−鉄血宰相・春川司が出した厳しい条件に向け、新メンバーで走り出した『シアターフラッグ』。
社会的には駄目な人間の集まりだが、協力することで幸うじて乗り切る日々が続いていた。
 しかし、借金返済のため団結しかけていたメンバーにまさかの亀裂が!それぞれの悩みを発端として数々の問題が勃発 旧メンバーとの確執も加わり、新たな危機に直面する「そんな中、主宰・春川巧にも問題が… 。どうなる『シアターフラツグ』!?


         ********************

 劇団員それぞれの問題とか、劇団のことは、あまり興味がないので、有川さんの他の作品ほどは夢中になれなかった、かな?


    

 でも、人物はそれなりに魅力があった.


シアター!

有川 浩

メディアワークス文庫



2010/12/6

2009/12/16 発行

経営難の劇団に現れた救世主は、鉄血宰相?

 小劇団「シアターフラッグ」−ファンも多いが、解散の危機が追っていた……そう、お金がないのだ!! その負債額なんと300万円! 悩んだ主宰の春川巧は兄の司に泣きつく。司は巧にお金を貸す代わりに「2年間で劇団の収益からこの300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」と厳しい条件を出した。
 新星プロ声優・羽田千歳が加わり一癖も二癖もある劇団員は十名に。そして鉄血宰
相・春川司も迎え入れ、新たな「シアターフラッグ」は旗揚げされるのだが……!?(裏表紙紹介より)

     ******************

 お芝居を見たことがない私には、想像のつかない世界だ。
お芝居では食べていけなくても好きだからやる、っていうのめりこみは素晴らしいなあ。
 それでも続けるためには収益を上げないと解散になってしまう。お芝居さえしていればいいというのではないようだ。驚いたのは、演出や舞台監督には費用がとても掛かるらしいこと。いじめられっこだった巧が、劇団を主宰し、いろんなことを捌いていくのは少し不思議な感じがしたが、劇団員たちの個性や、何かを成し遂げていく様は読んでいてわくわくした。
 芸術の世界、物を作り上げていく世界は、とても魅力的だ。  

 兄の司は、いじめられっこの弟をいつもかばっていた。だけど父は演劇の才能を持っていると分かった弟にしか目がいかない。何でもできて手のかからない司は、逆に特別な才能はないと気づく。
 引け目を感じている弟や、できてしまう故にさみしいこともある兄など、 身近に感じられる存在でもあった。


キケン

有川 浩

新潮社



2010/5/17

2010/1/20 発行
 

【キケン】成南電気工科大学機械制御研究部略称【機研】。彼らの巻き起こす、およそ人間の所行とは思えない数々の事件から、周りからは畏怖と慄きをもって、キケン=危険、と呼び恐れられていた。これは、その伝説的黄金時代を描いた物語である。


    **********************************************

 こういうのを読むと男のコに生まれりゃよかった、理系に進んだら良かった、とか思ってしまう。
 男のコたちだけのやんちゃな世界が楽しく表現されている。

 卒業して10年後の学祭の、見開きページのイラストは、見た瞬間、涙があふれてきた。やられた!有川さん、うまいよ。

 作者インタビューをネットで見たりすると、予想通り、こんな世界を話してくれたのは、旦那様のようだ。聞いた話を、こんな物語に仕上げるワザがすごい。

 「動物のおいしゃさん」の獣医学部、「もやしもん」の農学部などで楽しい大学キャンパスが描かれていたが、本書の工学男子も面白かった。
 


植物図鑑


有川 浩

角川書店



2010/1/15

2009/6/30 発行
雑草という名の草はなし、すべての草には名前があると昭和天皇は仰つたそうだ、たしかにそうだな。そして、あまり知られない、人が雑草の一言で片付けてしまう野草たちが重要なポイントとなる、有川さんらしい、ベタベタと甘いラブロマンス。

「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか」
「咬みません。躾のできたよい子です」
笑い転げるほどツボにはいった言葉を受けて、行き倒れの男を拾って帰ってしまうのは、20代後半の独身女性。
ええ!いいのかなあ?
翌朝、目覚めたら朝食ができていて、苗字のわからないイツキという青年との不可思議な共同生活が始まる。

有川さんらしいユーモラスで楽しい言葉で綴られた、ほのぼのとした、また切ない恋の物語。
イツキが野草を見事に料理していくのだが、読みながら、こんなふうに料理ができたら良いなと、わが身を振り返り、反省することしきり。

私自身は、野草の種類も知らなければ、料理も当たり前の物しか知らないし、工夫は無いし、だから読んでも右から左に抜けていってしまうのだが、二人の恋物語は、儚く終るのか、めでたく終るのか、なかなか気になる展開だ。

作者のあとがきがいつも面白い。今回のは、「ある日空から僕の目の前に女の子が落ちてきて……」という「天空の城ラピュタ」のように、
男の子の前に美少女が落ちてくるなら女の子の前にもイケメンが落ちてきて何が悪い!ーーーということだそうだ。何だか愉快。

巻末には、ヨモギやタンポポのレシピもついている。


フリーター、家を買う

有川 浩

幻冬舎



2009/12/22

2009/8/25 発行
 商社勤務の父、成一のことが原因で近所のいじめにあい、重度のうつ病にかかってしまった母を救いたい一心で、甘えん坊の二十五歳フリーターの主人公・誠治が成長していく様を描いている。
 誠治は、入社した会社を三か月で辞めてしまい適当にアルバイトを転々とし、自分の部屋でゲームに熱中する日々。ある日、帰省した姉・亜矢子に、母がうつ病になっていることを気付かなかったことをとがめられ、うつの原因を聞き愕然とする。亜矢子に母の世話を頼まれたものの対応がわからず・・・・・・。
 お金を稼ぐために道路工事のアルバイトを始めた誠治に、現場仲間の「おっさん」たちが自分の進むべき道のヒントを与えてくれた。

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 有川さんの本にしては、母親が重度のうつ病で暗い重い内容だと思ったが、誠治が就活する姿や、就職してからの仕事ぶりなどを読んでいくにつれて、気持ちが上に向いてきた。

 就活の時のエントリーシートの書き方、心構え、質問に対する答え方など、なるほどと思った。若い人には参考になるのではないだろうか。
 家族から、迷惑な父、と思われていたが、誠治が仕事を始めてみれば、「経理の鬼」といわれた父は簿記の教師としても、社会人の先輩としても頼りになることがわかってきて父と息子の関係も修復する。

 なかなか素晴らしい、仕事小説だった。現場のおっさんたちも魅力があった。


三匹のおっさん

有川 浩

文芸春秋



2009/12/10

2009/3/15 発行
 還暦ぐらいでジジイの箱に蹴りこまれてたまるかと、かつての悪ガキ3人が私設自警団を結成。定年後、近所のアミューズメントパークに出向中の剣道の達人キヨ、居酒屋の元主人で柔道家のシゲ、機械をいじらせたら無敵の工場経営者ノリの3人を中心に、キヨの孫とノリの娘の高校生コンビがからみ、詐欺や痴漢、動物虐待など、ご町内の悪を斬ります! 「図書館戦争」シリーズが大ブレイクした著者の「イマドキのお年よりは若い」という思いから始まりました。涙あり笑 いありの時代劇をみるような爽快感。

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 三人のキャラクターがバッチリはまって、楽しい。イラストもすごく良い。
リタイア後が、こんなに楽しく張り合いのある生活だったらいいだろうな、おまけに幼いときからの仲間が一緒で。
 特に良かったのは、高校生の孫が、オジイとよばれない為には、おしゃれにも気をつけるんだよ、とファッション指南をしてくれるところだ。

 本を読んだだけではもったいない。
こんな サイト があって、イラストレーターとの対談も楽しめた。


塩の街
有川 浩
アスキー・メディアワークス

2009/1/26
2007/6/30 発行


ラブコメ今昔

有川 浩

角川書店



2008/12/7

2008/6/30 発行

 突っ走り系広報自衛官の女子が鬼の上官に情報開示を迫るのは、「奥様とのナレソメ」。双方一歩もひかない攻防戦の行方は?・・・・・ラブコメ今昔

 出張中新幹線の中で釣り上げた、超かわいい年下の彼は自衛官。遠距離も恋する二人にはトキメキの促進剤。けれど……。・・・・・・軍事とオタクと彼

 「広報官には女たらしが向いている」と言われつつも彼女のいない政屋一尉が、仕事先で出会ったいい感じの女子。だが現場はトラブル続きで……。・・・・・・・広報官、走る!

 旦那がかっこいいのはいいことだ。旦那がモテるのもまあまあ赦せる。しかし今度ばかりは酒落にならない事態が。・・・・・・青い衝撃

 よりによって上官の愛娘と恋に落ちてしまった俺。彼女への思いは真剣なのに、最.後の一歩が踏み出せない。・・・・・・秘め事

 「ラブコメ今昔」では攻めに回った元気自衛官、千尋ちゃんも自分の恋はいっこうにままならず……。ダンデイ・ライオン〜またはラプコメ今音イマドキ編

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Illustration 徒花スクモ


別冊
図書館戦争   U

有川 浩

アスキー・メディアワークス

2008/12/6
2008/8/9 発行


別冊 
図書館戦争 T

有川 浩
アスキーメディアワークス


2008/9/15
2008/4/10 発行
「図書館革命」の終わりで、突然結婚した二人が出てきた。あれぇ、途中はどうなってるの?
 と思っていたら、ベタ甘の二人に焦点を当てたこんな一冊が出た。表紙からしてハートなんだから推して知るべし。

 作者があとがきで書いているように、別冊は登場人物を中心に、本編ほどの騒ぎは入れないとのこと。それでも、目次を見ると
1 明日はときどき血の雨が降るでしょう・・・・・・何かが起こる。
2 一番欲しいものは何ですか・・・・・・あま〜いお話
3 触りたい・触られたい二月・・・そんなにはっきり言うのですか
4 こらえる声・・・・・ん?
5 シアワセになりましょう・・・・こうしてプロポーズ
 ラブだけではなく図書館内に事件は起こっている。

 なかなか可愛い恋人たちの姿だった。ほかの人物にもなにかが起こりそうな気配。
 続編に期待しよう。


図書館革命
有川 浩
メディアワークス

2008/5/5


阪急電車

有川 浩

幻冬舎






2008/4/26

2008/1/25 発行
 阪急電車の中の今津線を主人公に、各駅から駅への車内でのエピソードを描いている。短編集かと思ったら、少しずつ接点があるチェーンストーリーとなっている。

 最初の宝塚駅からは、さすがに図書館戦争の作者だ、図書館で見かけて以来マークしてきた女性と電車で出会い、彼女からもロックオンされていたと知って始まる可愛い恋。「ロックオン」なんていう用語をベタ甘のラブストーリーに使うあたり軍おたくの著者らしいなあ。
 恋に破れ、白いドレスで敵討ちのように、捨てた男の結婚式に出た翔子。
 孫と電車に乗っているおばあちゃん時江が通りすがりではあるが的確に鋭いアドバイスをする。
 暴力的な男とずるずる付き合っていたミサは、にぎやかな女子高生の一団の会話を聞き、別れを決断する。
 『軍おた』と、からかわれてきた大学生の圭一は、同じ大学に通う地方から出てきた美帆と知り合う。
 これらの人々が宝塚駅から西宮北口駅までの間に登場する。

 そして、折り返し、今度は宝塚駅に向かう。

 非常識なおばさん集団在り、派手にみえる女子大生が優しい心使いを見せたり、往路に出た人物の少し後の姿を復路でみせてくれる。
 傷心から立ち直ったり、恋が進んでいたり、毅然とした態度を見たり、読んでいて気持ちがいい。
 そして、高知県出身の著者らしさがもう一つ、高知のお酒「桂月」を美味しそうに飲むユキ。
 
 阪急電車を知っている人も知らない人も、読んでほっこり胸キュンになる恋物語。あとがきまで楽しいのも特徴だ。


クジラの彼


有川 浩



メディアワークス






2007/6/24

2007/1/25 発行
 自衛官だって人間だもの、恋をする、いつでも会えるわけではない、障害を乗り越え、いじらしく、かわいい恋の物語。ベタ甘のラブストーリー。

 合コンで出会った史上まれに見る高物件の彼は、次にいつ会えるかわからない潜水艦乗りだった……「クジラの彼」は、「海の底」で活躍した海上自衛官・冬原春臣の恋人の立場から、遠く離れて連絡がないと不安になる、離れ離れでいる恋人同士の苦悩が描かれる。クジラは潜水艦のこと。

 果てしなく続く長い通路にならぶトイレをめぐり、彼女の戦いが始まった・・・・・・・「ロールアウト」は、戦闘機を設計する民間人女性と、担当自衛官。

 生意気で居丈高なクセにめちゃくちゃかわいい彼女とは、腐れ縁8年の単なる同期なのだが・・・・・・・・「国防レンアイ」は、ホントは好きで一番信頼しているのに、他の男とばかり付き合ってしまう彼女を何年もそばで見守っているけなげな男、なかなか味のある包容力のある男だなあ。彼女はあそこまで醜態を曝していいんだろうか。

 素敵すぎる彼女と、今ひとつ自信のない俺。さらに年の差が気になってなかなか結婚をきりだせなくて・・・・・・・・「有能な彼女」は、「海の底」で活躍した海上自衛官夏木大和・彼女はあの事件のときの女子高生・望。彼女は自衛官になって再度やってきた。

 純情は悲壮?滑稽?あるいは迷惑!?あのフェンスを越えれば、彼女に会える!はずだった・・・・・・・「脱柵エレジー」経験のある先輩自衛官として新人を迷いから覚めさせている二人は、いつの間にか阿吽の呼吸で。

 強くて、きれいで、凶悪にかわいい君を僕はどうやって守ったらいいんだろう・・・・・・・「ファイターパイロットの君「空の中」で出逢った戦闘機乗りの女性自衛官と設計者のその後。私にはこの作品が一番胸にぐっと来た。こういう女性像が好きでもあるし、子どもとのやりとりがステキだった。
 (青字は、カバーより)元の作品を知らなくても楽しめるが、知っておいた方がお得。


図書館危機

有川 浩

メディアワークス



2007/6/9

2007/3/5 発行
 憧れの王子様が、いつもそばにいた鬼教官の堂上だと知って・・・・・・今までと同じように接することはできないが、「王子様卒業」宣言をする郁。どうなることかと前巻の終わりで心配したが、何とか乗り切ったようだ。

 もどかしくて不器用な二人の恋は相変わらずだが、郁、島崎、手塚らは苦労しながらも昇進試験に受かる。子どもの心をつかむという実技試験は面白い。秀才手塚の意外な弱点を発見。

 「床屋」が軽度の放送禁止用語に指定されているのを知って取り上げたと著者「あとがき」にある。そういえば看護婦を看護士というのも、保母を保育士というのも同じことだったかと思い出させてくれ、3章では、言葉狩りについて問題提起している。

 4章で、さあ、戦闘が始まる。茨城県展警備で、良化特務機関が作品『自由』展示を阻止しようと襲撃してくる。迎え撃つ図書隊にも負傷者が出る。図書隊本来の活躍の場だ。
 また、女子寮での陰湿な嫌がらせに立ち向かう潔い郁の姿は涙もろい姿とギャップがあって魅力的だ。郁を称して『170p戦闘職種女』こういう言葉の使い方も、著者はうまい。
 カップルの話としては、玄田三監と記者の折口の大人の不思議な関係も味がある。還暦まで入籍を待つ?ほんとかいな。
 
 図書隊の徽章のカミツレについてのエピソードもよかった。
 次で完結するらしいが、彼ら、彼女らの楽しい会話のやりとりが終るのは惜しい。ハッピーエンドになるといいな。


図書館内乱



有川 浩


メディアワークス




2007/5/13

2006/9/30 発行
 ほとんど恋愛小説を読まない私なのに、これはれっきとしたラブコメではないか。それなのに時々ほろっとしてウルウルしながら夢中で読めてしまう。

 図書館戦争は、新奇さに驚かされ図書レンジャーの勢いもあって面白かったが、今回はヒロインの周りの有能な仲間達を、それぞれ掘り下げ、ロマンスも満載、政治的圧力、図書隊への陰謀もあり、ドンパチではない形の図書を守る攻防が繰り広げられる。

 図書特殊部隊は、班長・怒れるチビの鬼教官・堂上二等図書正、笑う正論、副班長・小牧二等図書正、冷静・有能・同期の手塚一等図書士、喧嘩屋中年・玄田三監、熱血バカ・笠原郁一等図書士、プラス美人の情報屋・ルームメイトの柴崎図書士ら。

 郁の両親が見学に訪れたり、小牧に恋する乙女が登場し、「レインツリーの国」という本を手にしたり、その事が元で陥れられ、小牧がどこかに拘束されてしまう。それに関係しているのが手塚の兄。新しい館長は切れ者で、トラブルを利用しては名前を上げていく。柴崎に近づいてくる男性の存在も怪しいし、そして郁が査問会に呼ばれるなど、危機が続く。

 「5年前に1回会っただけだけど、あたしは今でもあの人に憧れてるし尊敬してるし、あの人が好きです」と、あの人だと気づかず、じぶんの王子様だと気づかず本人の前で言い放つし、「鬼教官は、前にいると恐いが背中にいると誰より心強い」とも思う郁は可愛い。

 作中出てくる「レインツリーの国」は、架空の書物だったが、新潮社から発行され、ステキなラブストーリーになっている。
 


レインツリーの国



有川 浩




新潮社






2006/11/11

 いつもは、「飛び道具」バリバリで、巨大ザリガニや空に浮遊する生命体、塩?などが出てきて、戦闘シーンとラブコメの不思議な世界を展開する。

 
「レインツリーの国」にはそんな飛び道具はないが、有川さんらしい言葉のやりとりがいつもながら楽しい。そして「図書館内乱」に「レインツリーの国」が意味を持って登場するという。

 まずはメールのやりとりで「フェアリーゲーム」という本の結末に対する解釈について二人の言葉で深まっていくのがすてき。本をこんなふうに読み込んでいくのね、と感心しながら・・・・。

二人がメールだけでなく、向かい合って話したくなるのも自然の成り行き。会ってみたら、・・・・何かがズレている。そして、彼女が難聴だったことを知る。
 ここまで読んで、あー、そうだったの? とやっと気づく。「図書館内乱」を先に読んだ人には既成事実だが。
 

 言葉のやりとりは気が利いていて、楽しいというか、おかしいというか、独特の雰囲気を醸し出す会話場面が著者の持ち味だが、それだけでなく小説の背景になるものはきちっと調べている。
 この本で読むまで、中途失聴、難聴、聾、聾唖について区別があることを考えたことがなかった。伝音声難聴と感音声難聴という言葉や区別も知らなかった。手話についても誤解していた。ヒロインの悩みやためらいを通じて学ばせてくれる。
 
そして大阪弁が効果的に使われている。
 

 かわいいラブストーリーで、恋人たちを応援したくなる。人に薦めたい作品だ。「図書館内乱」をあわせて読むともっといい。
 

 あとがきで著者が「『難聴者を主人公にして恋愛物を書く』と申し上げましたら、『それはあれですか、自衛官が地雷処理とかで失敗して難聴になったりするんですか?私の一般的な位置づけはすでにそこか!?」これには笑って、そうだそうだと共鳴した。



空の中

有川 浩

メディアワークス



2006/9/28
著者2作目の作品。
あとがきによれば、「天空の城ラピュタ」を観ていて思いついたそうだが、「怪獣物と青春物足しっぱなしをして空自で和えた」物語になったと。
 著者は子どもの頃から怪獣好きで、本書には怪獣の他、飛行機、恋愛物に郷里の野山や水辺、基地祭で行って楽しかった基地など、著者の好きなものがたくさん詰まっているそうである。
 
 直径数十キロもの知的浮遊生物と人類との邂逅(かいこう)がテーマ。

 登場人物は、武田光稀(みき)空自のパイロット。名前だけでなく男勝り。春名高巳は日本航空機設計から、事故原因究明のため派遣された
。軽いノリのお調子モン高巳と謹厳実直が服を着ているような光稀とのコンビが楽しい。
 未確認物体を喜んで捕獲する親分各の美佳、空自のパイロットの父が死んだ瞬、二人が不思議な生物を捕獲し、フェイクと名づけペットのように飼ったりする様子は楽しい。
 知的浮遊生物【白鯨】(浮遊生物の名)をミサイルで何万個にも分裂したあと、政府がどのように解決していくのか見当がつかず、
面白くて読み急いだ。宮田じい、がカッコよかった。

 突拍子もない設定で、極限状況に追い込まれた人間のドラマが語られる。重苦しさの後にやってくるすがすがしい結末、交わされる会話の軽妙さ。そのギャップが面白い。



海の底


有川 浩

メディアワークス




2006/8/5

「図書館戦争」を初めて読んだ時以来、ファンになった。作者自身が「真面目くさってホラを吹く」という作風だといっているように、話がどこまでいくのやら。
 「海の底(から来た奴ら)」の、とんでもない設定は、横須賀が巨大ザリガニ様のものに襲われるという。
 軽口をたたきあって会話を楽しませてくれるのは、夏木大和三尉と冬原春臣三尉、海上自衛隊の潜水艦「きりしお」の実習幹部。

 
突如、横須賀基地周辺に出現した巨大甲殻類、えびかザリガニか。 なりゆきで艦にとじこもることになった自衛官二人夏冬コンビと子供達が、閉鎖された空間で数日間を過ごす。要するに「潜水艦で十五少年漂流記」(作者の弁) 
 幼い子ども、生意気な中学生、たった一人の女子高生らと若き自衛官とのふれあいがとてもいい。

 
 外では、海から押し寄せ、人を襲って食べる甲殻類の対処をめぐり、警察と防衛庁が貢献度を競い合い、官邸では警察出身者と防衛庁出身者がイニシアチブ争いと内閣出身の日和見主義とで小田原評定をしている。救いは、神奈川県警明石警部と、派遣幕僚団の烏丸参事官のはみだし者二人が、的確に指示を出し、含んだ会話で楽しませてくれる。
 
 シャイな男女の不器用な恋あり、親子についてしっとり感じられる場面あり、荒唐無稽な設定の物語でありながら、笑いと涙がある楽しいパニック冒険ものがたり。



図書館戦争


有川 浩


メディアワークス



2006/4/30
 マンガの破天荒な面白さとテンポと会話の妙を、活字で読んでいるというのが第一印象だった。少年・少女でも読み易いよう、比較的軽めの文体で書かれているライトノベルというジャンルで、あとがきによるとコンセプトは『月9連ドラ風』、もしくは『行政戦隊図書レンジャー』(言い得て妙)。とにかく面白い。
 公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる法律「メディア良化法」ができたため、検閲機関の権力が増し、それに対抗できるのは図書館しかない。メディア良化委員会に対し、図書館も防衛力を必要として図書隊(警備隊)を持つことになったと言う設定が面白い。

 主人公、笠原郁は女子としては珍しい図書館の中でも防衛員に応募し、めっぽう威勢がよくて男子に混じっても体力でも負けない。軍事訓練の後、図書防衛特殊班に配属される。豪快な上司、笑い上戸で温和な上司、厳しくて怖いがいつもけんか口調になる上司、美人で口達者な同室の友たちに囲まれ、本を守る闘いを続ける。郁だけでなく周りの人物も魅力がたっぷり。
 本書の魅力は、生き生きとした会話だろう。こんなに私も言葉が浮かんでくればナア、と羨ましい。笑いあり、ラブあり、知識あり。




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