柄刀 一
(つかとう はじめ、1959年2月2日 )は、推理作家。北海道夕張市生まれ。札幌市在]。
北海道札幌開成高等学校、専門学校札幌デザイナー学院卒業。
日本推理作家協会・本格ミステリ作家クラブ会員。ペンネームはジョン・ディクスン・カーに由来する。。
或るギリシア棺の謎 柄刀一 光文社 2023/3/17 2021/2/28 発行 |
かつて心臓移植を経験している南美希風と、その移植手術を執刀した医師の娘であるエリザベス・キッドリッジ。ふたりにとって縁の深い篤志家の安堂朱海の訃報が届いた。高齢で長く闘病していた彼女だったが、自殺あるいは他殺の疑いが浮上する。誰が、何のために? 弔意のために安堂家を訪れた美希風たちは、名家に伝わる奇妙な因習と、次々に襲い来る悲劇の存在を知る――。 ************************* 読むのがしんどかった。ここまで複雑にする必要があるのか。こういうモノを好む人向けの作品。 |
流星のソード 名探偵・朝見光彦 VS 天才・天地龍之介 柄刀 一 祥伝社 2023/3/8 2019/8/20 発行 |
第一の死には啄木を、第二の死には流星刀を。そして……、死の連鎖は止められるのか 毒殺事件が起きた小樽の龍宮神社で、浅見光彦は偶然、天地龍之介と再会する。神社では榎本武揚が隕石から作らせた流星刀が公開されていた。同日、小樽の海岸で他殺体が発見される。二人は石川啄木を暗示する遺留物から連続殺人を疑うが、被害者に繋がりは見つからない。やがて、流星刀をめぐる謎の刀匠が浮上するや、第三の悲劇が! 名探偵二人に解けない犯罪の公式はあるのか。 ********************** 社会問題を盛り込んだり歴史知識を入れたり、の部分はいいけど、二人の探偵にする必要は無いかな、展開がじれったくて。 |
ジョン・ディクスン・カーの最終定理 柄刀 一 創元推理文庫 2021/4/8 2020/9/11発行 |
巨匠J・D・カーが挑み、見事謎を解き明かしたもののその真相はなぜか失われている、第二次世界大戦前夜のロンドンで起きた超常的犯罪。それは「ジョン・ディクスン・カーの最終定理」と呼ばれていた。やがて、世紀を超えて日本にもたらされたこの謎に挑むべく集まった学生たちは、新たな“不可能犯罪”に直面する―短編「ジョン・D・カーの最終定理」を完全改稿の上長編化。(Bookデータベース) ************************* ジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr, 1906年11月30日 - 1977年2月27日)は、アメリカ合衆国の小説家である。密室殺人を扱った推理小説で知られる。 カーター・ディクスン というペンネームでも多くの作品を発表した。日本では80冊を超える著書のほとんどが翻訳されている。 * 密室物のアンソロジーに収録された同タイトルの短編を、著者が全面改稿して長編にした作品。 |
翼のある依頼人 慶子さんとお仲間探偵団 柄刀一 光文社 2021/3/22 2011/7/25 発行 |
結婚相手が松坂姓だったため、思いがけずも某有名女優と同じ名前になってしまった慶子さん。筋金入りの推理好きで、実際の事件でもその能力は抜群。睡眠発作という持病と幼い息子・大輔を抱える彼女が、少し風変わりなシャーロッキアン仲間とともに、不思議な事件の意外な真相を解き明かす。希代のトリックメーカー・柄刀一による極上のライトミステリー連作集。
***************** 著者が後書きで言っている「ティータイムミステリー」お茶を片手に、くつろぎながら読めるミステリー、そうした雰囲気を味わえるミステリーを書きたかったと。 だから、読みやすい。 シャーロキアンたちを登場人物にしているので、ホームズの物語の内容に触れたりするのも魅力の一つ。 |
ミダスの河 名探偵・浅見光彦 VS 天才・天地龍之介 柄刀一 祥伝社 2018/8/16 2018/7/20 発行 |
末梢血幹細胞移植の取材で山梨県・甲府市を訪れていたルポライター・浅見光彦(33)のもとに、ドナーの上園望美が誘拐されたという知らせが入った。誘拐犯は、望美が「甲斐のミダス王」こと名家小津野家の当主・陵の隠し子と主張、小津野家の秘密を暴けと要求してくる。一方同じ頃、甲州市を流れる重川で行われた砂金採りイベントに参加していた、秋田で生涯学習施設の運営に携わる天地龍之介(29)は、衝突事故を起こした車から人が転がり落ちるのを見て駆けつける。だが、そこで目撃したのは、誰もいない黄金色に染まった運転席だった......。 信玄の埋蔵金伝説が残る山梨で、殺人と誘拐が同時発生。それぞれの事件を追う二人の名探偵が邂逅したとき、武田家を支えた、戦国時代から続く名家の謎が浮上する *************** |
密室キングダム 南美希風の推理 柄刀 一 光文社 2017/2/20 2007/7/25 発行 |
昭和最後の夏に、札幌で起きた密室連続殺人事件。それは、伝説的な奇術師・吝一郎の復帰公演が発端だった。吝家を覆う殺意の霧の中に浮かぶ忌まわしき宿縁―。妖艶にして華麗、絢爛という言葉さえ似合う不可能犯罪の連鎖に、若き推理の天才・南美希風が挑む。 ***************** 923ページ、本の厚さ4.5センチ、読み応えがあるが、密室殺人が続くと疲れる。でもなんとなく先が読めるような・・・・・・・。 |
ペガサスと一角獣薬局 南美希風の推理 柄刀 一 光文社 2016/12/24 2008/8/25 発行 |
ドラゴンに踏みつぶされた惨死体。五年前に密閉された小屋から発見された白骨。ユニコーンに突かれ、ペガサスに落とされた兄弟。生命を再生し若返らせる館…。幻獣たちが跳梁し、奇蹟が現実のものとなる奇々怪々の事件に、“世界の伝説と奇観”を取材するフリーカメラマン南美希風が挑む。幻想と論理が融合する柄刀ミステリーの真骨頂。 *********************** 龍の淵 光る棺の中の白骨 ペガサスと一角獣薬局 チェスター街の日 読者だけに判るボーンレイク事件 |
システィーナ・スカル 絵画修復士御藏瞬介の推理 柄刀 一 実業之日本社 2016/12/18 2010/11/20 発行 |
イタリア・フィレンツェのシスティーナ礼拝堂でミケランジェロが描いた大壁画の修復作業を担当する絵画修復士の御倉瞬介。彼の眼前で、絵を見ていた恋人シモーナの大伯母が突然倒れ死亡し、その手にはなぜか人骨が握られていた。彼女にいったい何が起きたのか。そして、その驚くべき真相は祭壇壁画『最後の審判』の中にあった―世界が驚嘆する本格美術ミステリー! 表題作のほか、ボッティチェリの狂気に満ちた作品「ナスタジオ・デリ・オネスティの物語」の秘密に迫る「ボッティチェリの裏窓」、 佐伯祐三を敬愛していた画家の悲劇にまつわる謎を解く「時の運送屋(カミオン)」、 そして、ミケランジェロの彫刻群「昼」「夜」「曙」「黄昏」の意味とある事件のつながりを解いていく「闇の揺りかご」、の計四編を収録。 ***************** 時間をさかのぼって、瞬介が恋人シモーナと出会う頃の話。 |
黄昏たゆたい美術館 絵画修復士御藏瞬介の推理 柄刀 ー 実業之日本社 2016/7/23 2008/7/25 発行 |
絵画修復士御倉瞬介が、鋭い観察眼で、さまざまな事件の真相へと迫る好評シリーズ第2弾。ゴッホを殺したのは誰なのか!? そして、ゴッホにとって福音とは死であったのか? 神殺しと呼ばれたファン・エイク、白い壁を描き続けたユトリロ、移り変わる時間を重ねて描いていく信貴山縁起絵巻、そしてゴッホとゴーギャンの確執と は……!? 魅力に満ちた名画にまつわる<生と死>の謎と、重なりあう事件の真相を、画材の裏まで透徹する慧眼によって射る!
柄刀マジックが繰り広げられる驚嘆すべき5編の連作美術ミステリー。 作品の鑑定と修復のため、東京総合美術研究所に持ち込まれた古い絵画のなかに、ゴッホの死の謎を解く手がかりが見つかったという。しかし、そのことを “ゴッホです!”というメールで知らせてきた研究員・成瀬いずみが死体で発見される。状況から服毒自殺と思われたが、奇妙なことに彼女の片耳は茶色く染 まっていて「Bookデータベース」より ******************** 事件の真相よりも絵の謎の方が面白く、それぞれの絵画と画家にまつわる蘊蓄がよかった。ゴッホについては多少の知識があったが、ユトリロについては全く知らなかったので、勉強になった。 このシリーズが好きなのは、絵画好きということのほかに、子連れ絵画修復士であるということ。この作品では圭介は8歳になっている。 家政夫のキャラクターもいいので彼らの雰囲気が好ましい。「加護祥斎という時代劇に登場しそうな名前を持つこの巨漢は、御倉家のシーサーのような存在かも知れなかった。五十手前で、質実剛健。いろいろな意味で安心感をもたらす、御倉父子にとっての精神的な屋台骨にさえなっていた。ごつい体つきと顔付きで、とにかくエプロンが似合わないが、それと家事の内容は別物、料理も掃除も洗濯も、非の打ちどころのない家政夫」と表現されている。 |
時を巡る肖像 絵画修復士御藏瞬介の推理 柄刀ー 実業之日本社 2016/7/13 2006/11/25 発行 |
フィレンツェで絵画修復技術を学び、ミケランジェロの天井画の修復工事にも参加経験を持つ主人公・御倉瞬介が巻き込まれる、名画に関わる不可解な事件。修復の手を進めながらその絵にまつわる因縁を読み解いていく。ピカソ、フェルメール、モネ、安井曾太郎、デューラーなどの肖像画の傷んだ部分、そこに描かれた人物と事件の謎を、キャンバス越しに究明する。作品への鋭い鑑賞眼とともに、事件への思慮深い観察が、確かに思えていた世界をみごとに反転させる。 *******************: ミステリーに直結しないけど気になる文章。ピカソについてーーーピカソは、物事を捉える目からして常人とは違ったはずだ。目だ。人体の隅々、その内部までを見通す目、人々の内面の有り様を映し出してしまう瞳の中を覗き込む目。陽の光か空気に及ぼす影響を顕微鏡のように発見してしまう目。 ピカソは、世界を見る目において天才で、見通したそれをキャンバスに定着させることにおいても天才だったのだ。天才と呼ばれる肉家は多いが、そのほとんどは、絵を描く技法に優れているという技術的な天才にすぎない。 ピカソの絵に増えていく、描かれない部分。敢えて描き切らない。 フェルメールは「デルフトの眺望」に、平和への祈りや死者たちを悼む思いを込めた モネは晩年,200枚以上も「睡蓮」を描いたとされる。モザイク状の色盲視細胞 絵画修復士の御藏瞬介には圭介という5歳の子どもがいる。そして家事や子守を手伝ってくれる「家政夫」加護祥斎がいる。巨大な体つきで厳めしく結ばれた唇にがっちりした鼻、太い眉、短い頭髪、まるで道を踏み外して荒くれへと変じてしまった修行僧のように見えるというキャラ設定はなかなか面白いのに出番があまりなかった。今後、出てくるのかな。 |
400年の遺言 龍遠寺庭園の死 柄刀 一 角川書店 2016/5/1 2000/1/30 発行 |
400年の歴史を持つ浄土真宗妙見派の京都・龍遠寺。天空の星を写しとるとされるその庭園で、庭師の親子が殺される事件が起こった。父・泉繁竹は首にノギ
スを刺されて、息子・真太郎は溺死させられた。繁竹を看取った蔭山は、「この子を、頼む…」という最期の言葉に違和感を抱きながら、二人の死の謎を追いか
ける。星座と風水思想を読み解いていく。その先に待っていたのは、庭園の400年の歴史に隠された驚愕の事実だった…。本格長編ミステリー。 ******************* 造園に関する薀蓄が凄くて興味深い部分もあったが、飛ばし読み。 |
人質ゲーム、オセロ式 天才・龍之介がゆく! K 柄刀 一 祥伝社ノン・ノベル 2016/12/29 平成22/11/10 発行 |
「これからおまえは裁きを受ける」オセロの公開対局を映すスクリーンの文字に観衆は凍り付いた。娘の対戦を見守っていた久能警視正の七年前の行為を断罪するというのだ。それは、新米警官だった彼の息子が臓器密売グループを摘発したときに起きた一般人誤射のことか。警察による組織的隠蔽工作が噂された事件だった。画面を通して久能とのオセロ対局を要求する犯人。久能が白の石を打った場所に死体を埋めるという。この言葉の意味とは?どんな罪を暴こうというのか?姿を見せぬ犯人に名探偵・天地龍之介が迫る。 ******************** 長編。 |
UFOの捕まえ方 天才・龍之介がゆく! J 柄刀 一 祥伝社ノン・ノベル 2016/12/22 平成21/2/20 発行 |
鹿角<かづの)市上空に未確認飛行物体出現!?環状列石など謎の遺跡が残るミステリーゾーンを訪ねた天地龍之介は、現地でUFO騒動に遭遇する。人工ピラミッドとも見える山の付近で発光物体が目撃されたのだ。自衛隊が立入禁止区域を設け、町には異様な緊張感が漂っていた。また、天井のシャンデリアの上に残された他殺体と内臓を奪われた犬の死体も発見される。人間業とは思えない怪事件が続発!宇宙人の仕業か?エイリアンに誘拐されたという人物まで現われて…。天才・龍之介、日本版「X‐ファイル」に挑戦。
(Bookデータベース) *********** 第1話 サイト門のひらき方 第2話 身代金の奪い方 第3話 UFOの捕まえ方 第4話 見えない共犯者の作り方 |
消滅島RPGマーダー 天才・龍之介がゆく! I 柄刀 一 祥伝社ノン・ノベル 2016/4/26 平成20/2/20 発行 |
<島に不敬をはたらいた神罰なりや、島は失われる。岩とともに沈みたる落命者もありーー>聖なる島を訪れた天地龍之介は、奇妙な言い伝えを知る。沖に浮かぶ小島が消えた、それは真実なのか?ところが、伝承通りに怪事は起こる。炎に包まれた人間が地面に消えた!?不可解な出来事は続く。漁の安全を司る”神の船”が空に出航したという。台風が直撃、度重なる余震で孤立状態となった島で、やがて信じがたい大異変が起こった! シリーズ10作目の長編 *********************** 今回は理科的な説明が少なかったが、重心の説明にはなるほど〜と驚いた。 |
紳士ならざる者の心理学 天才・龍之介がゆく! H 柄刀 一 祥伝社ノン・ノベル 2016/6/13 平成19/11/10 発行 |
学園祭でにぎわう私立大学の心理学研究室で、最先端ゲームの試作機盗難事件が発生した。容疑者は研究室に出 入りする人間に絞られるが、直後、近くの工事現場で、同院生が感電死する悲劇が起こった。偶然か、それとも……? 自らのプロジェクトへの協力を仰ぎに勝
平愛子(すぐひらあいこ)教授を訪ねていた天地龍之介(あまちりゅうのすけ)は、解決に乗り出す。やがて見いだされるのは二つの事件をつなぐ奇妙な糸。そ
の時浮上する、人間心理を巧妙(こうみょう)に衝(つ)いた驚愕のトリックとは!? (紹介文より) ******************* 学習プレイランドで働いてくれるスタッフ探しという、
まるでロールプレイングゲームにおける仲間探しのような設定が楽しい。
第一章 「召されてからのメッセージ」ーーー不明の遺言書の保管場所を推理する第二章 「紳士ならざる者の心理学」ーーー 第三章 「ウォール・ウィスパー」ーーープレイランド用建物の改築工事現場で、40年前の殺人事件に光を当てる。 第四章 「見られていた密室」ーーー犯人から見た犯行の様子、頭の切れる人間同士の心の読みあい。 第五章 「少女の淡き消失点」ーーープレイランドの落成式当日。記念写真に謎の少女が写っていた。 |
空から見た殺人プラン 天才・龍之介がゆく! G 柄刀 一 祥伝社 ノン・ノベル 2016/6/9 平成19/2/20 発行 |
連殺魔方陣 天才・龍之介がゆく! F 柄刀 一 祥伝社 ノン・ノベル 2016/5/28 平成18/2/20 発行 |
<魔方陣の館>で起こる連続毒殺の謎ーーーシリーズ長編2作目 九星気学を受け継ぐ旧家であり、企業グループ“KISON”を率いる亀村家の晩餐会で、幹部吾妻忠一が毒殺された。それは、郵送されていた予告状の実現に 他ならなかった。投毒可能な調理人と給仕担当のメイドに容疑がかかるも捜査は難航、同席していた天地龍之介が犯人捜しに乗り出した。だが関係者は一癖ある 人物揃い。しかも様々な愛憎が渦巻き…。殺人犯は誰か?館が不安に包まれる中、第二の予告状と毒殺事件が!龍之介の頭脳は殺人の連鎖を止められるのか。 *********************** 今回の龍之介の描写ーーー類い稀な素朴な童顔には,惚けに近い表情がよく似合う。唇を半分開き、はばたくセキセイインコをうらやむ亀のような目をして顔を上に向け・・・・・・。 長編だからなのか、3人で推理している場面が冗長のように感じて、いつもほどの面白さを感じにくい。 「十字架クロスワードの殺人」の時の登場人物、芸能人の下妻達臣の招待で、大富豪亀村家の晩餐会に出席することになった。 亀村家の分家とのつながりは、「殺意は、ブルートレインが乗せて」の時に助けた関係。 |
殺人現場はその手の中に 天才・龍之介がゆく! E 柄刀 一 祥伝社 ノン・ノベル 2016/5/14 平成17/2/20 発行 |
IQ一九〇の天才、だが気が弱くてどこかトボけたほのぼの名探偵・天地龍之介。彼の長年の夢、“学習プレイランド”創設のため、建物を見に秋田を訪れる。 しかし、持ち主の息子夫婦が心臓発作とひき逃げで同じ日に不審な死を遂げており、建物も取り壊される予定だという…。膨大な知識と奇抜な発想で読者の脳を 刺激する、理科系トリック満載の上質ミステリー。 ******************** 龍之介はどこか頼りない、海藻を頭に載せたラッコのような風貌をした・・・・童顔の不器用男と描写されている。 前回で光章は秋田に転勤し、龍之介は光章のアパートに残った。 1章 瞳の中の、死の予告ーーー携帯電話の着信イルミネーション 2章 アリバイの中のアルファベットーーー栃坂喜作ーーー”仙人の湯”−−娘夫婦の死の解明と「あれこれ湯ーランド」−−−契約成立 3章 死角の中のクリスタルーーー祝賀の席の悪意 4章 溝の中の遠い殺意ーーー古いSPレコードの音の再生 5章 ページの中の殺人現場ーーー 体験型学習プレイランドを造る場所を見つけて手に入れることができた。次は優秀なスタッフを集めること。 |
殺意はブルートレインが乗せて 天才・龍之介がゆく! D 柄刀 一 祥伝社 ノン・ノベル 2016/5/13 平成16/2/20 発行 |
“列車運行表の魔術師”が考え出した行き先・ルート不明のミステリートレインが発車した。しかしその列車が何者かに乗っ取られ、列車の行方すらわからなく
なった。犯人の目的は?龍之介と従兄弟の光章は、乗客を救うため東奔西走する。さらに光章の恋人長代一美が犯人一味に捕らえられるという事態に。博覧強記
の龍之介はこの大ピンチをどう切り抜けるのか。
************************ 今回の龍之介の描写ーーー理容師が腕の振るいようもないさっぱりとした髪に、少年のようなドングリ眼。そんな、28歳とも思えない童顔の男がおどおどと瞬きしているさまは、いかにも頼りなげで、さらに年齢が低く見える。 1章 龍之介、黄色い部屋に入ってしまう 2章 光章、白銀に埋まる 3章 一美、黒い火の玉を目撃すーーー福地龍三(不動産に強い経済学者) 4章 どうする卿、謎の青列車(ブルートレイン)と消えるーーー列車が消えるトリックは、なるほど!!と感心する。ーーー亀村豪一(不動産物件の持ち主)命を狙われる 5章 龍之介、悪意の赤い手紙に息を呑むーーー光章、辞令が出て秋田へ 行く先々、人と出会うたびに事件に遭遇し、解決する。その中でいい人との出会いがある。 お金を子どものために使いたい、科学や数学や物理。子どものころから楽しく接してもらう。漢文とかも。体験ミュージアムがいい・・・・・龍太郎の夢が少しずつ形を成していく。 |
十字架クロスワードの殺人 天才・龍之介がゆく! C 柄刀 一 祥伝社ノン・ノベル 2016/4/15 平成15/2/20 発行 |
富豪・比留間三兄弟の長男・長一が運転する車が崖から転落。同乗していた天地龍之介や光章たち全員が山奥の小屋に避難した。救出を待つ夜、その小屋で長一
の妻が殺された。犯人はこの中に?不気味な夜が続くが、一方、比留間邸でも秘書の死体が発見され、さらに光章の帰りを待つ恋人にも危機が!遠隔地で起こる
難事件を天才的頭脳の龍之介はいかに解決する―。 ********************* 橋が落ち、山奥の山小屋で孤立してしまった龍之介は、ありあわせの物を寄せ集めて鉱石ラジオを作ったり、血液を見る顕微鏡を水滴レンズで見たり・・・・・・ こういう理科の世界が何気なく挿入されるのが好き。 光章の龍之介評も楽しい。 * 田舎住まいの日向の子猫 * 予想もしなかったところから押し寄せる余計な知識 * 龍之介に運動神経を求めるのは、カバに針仕事を要求するようなもの * 膨大ではあるが、使い道も判らないほどに種々雑である龍之介の雑学的知識 |
殺意は幽霊館から 天才・龍之介がゆく! B 柄刀 一 祥伝社文庫 2016/5/27 2000/1/1 発行 |
駿河湾沿いの温泉地。天地龍之介と光章、長代一美は、地元で幽霊館と呼ばれる廃ビルに浮上する女の幽霊を目撃した。こわごわと館に潜入しさらに驚愕。今度 は三階の窓から落下する幽霊が。翌日、女性の死体が発見された。なんと殺人現場はその幽霊館、しかも犯行時間も彼らが居た時刻だった!一転、容疑者となっ た彼らのピンチを、IQ一九〇の龍之介はいかに救う。 {Bookデータベースより} ********************** 相模湾に面する温泉地が舞台。 今回の龍之介の描写ーーー縁側でボーッとしている、風呂上がりの子どもみたいな・・・・ 化石のように古風で、間が抜けているほどに素朴な男、 理科は、箸の上にビンを置いても安定するにはーーーー布をかけて重心を低くする・・・・ |
幽霊船が消えるまで 天才・龍之介がゆく! A 柄刀 一 祥伝社ノン・ノベル 2016/3/29 平成14/2/20 発行 |
〈鳥の羽ばたき音とともに、女の幽霊が現われる??〉後見人探しの旅を続ける天地龍之介(あまちりゅうのすけ)が乗り込んだ貨物船で、怪談話を聞かされた。震え上がる龍之介を笑っていた従兄弟の光章(みつあき)がその 夜、奇怪な幽霊船を見て失神。気が付くと船内は宝石の盗難で大騒動に。しかも、現場には龍之介の指紋が! 絶体絶命の危機をIQ190の天才、生活能力ゼ ロの名探偵龍之介はどう切り抜けるのか? ********************* 1章 幽霊船が消えるまでーー船のすり替え 2章 死が鍵盤を鳴らすまでーー光章の友達以上恋人未満の女性一美さんの友人が関わっている殺人事件を解決するーー鍵盤の断面図 3章ーー石の棺が閉じるまでーー後見人の中畑さんの実家で連絡先を調べてもらうよう訪問すると、少年の誘拐事件の真相を推理する事になったりーー沈む木と浮かぶ石 4章 雨が殺意を流すまでーー「回転球体法」による雷撃距離 5章 彼が詐欺を終えるまでーー中畑さん本人と出会えたかと思ったら、その場所には光章に借金を負わせて行方をくらました友人がいたり 6章 木の葉が証拠を語るまでーー葉が印画紙 後見人の中畑さんと出会えた龍之介、龍之介の祖父は結構な額の遺産を遺していて、龍之介本人と、彼と一緒に行動する光章、一美の人となりを自分の目で確かめた見た中畑さんは、彼らになら龍之介を託しても大丈夫ということを確信して、光章にもそのことを教える。 |
殺意は砂糖の右側に 天才・龍之介がゆく! @ 柄刀 一 祥伝社ノン・ノベル 2016/3/22 平成13/2/20 発行 |
「10円玉を持っていないか」という不思議な言葉を残しクラブ経営者が撲殺された。被害者は麻薬取引の疑惑を持たれていたが、その右手にはなぜか1円硬貨
と50円硬貨が握られていた…。小笠原諸島から初めて都会に出てきた純朴で愛すべき天地龍之介は、数々の奇妙な事件に遭遇する。料理コンテストや国際線の
機上、はたまたフィリピンの田舎町で…。学究一筋の青春を送ってきた龍之介が、科学者並みの頭脳とちょっとズレた感性で事件の謎に挑戦する。果たしてIQ
一九〇の天才推理は。 **********************: 「天才・龍之介がゆく!」シリーズの第1弾。7本を収める短編集。 1章 エデンは月の裏側に 2章 殺意は砂糖の右側に 3章 凶器は視覚の奥底に 4章 銀河はコップの内側に 5章 夕日はマラッカの海原に 6章 ダイヤモンドは永遠に 7章 あかずの扉は潮風の中に 理科的薀蓄を語るための物語か・・・・でも、その薀蓄を読みたいからシリーズを読んでいこうと思う。 キャラクターもユニークだし、ほんわかした雰囲気もいい。 人を探して国外まで行ったというのに、目的の人物はすれ違いで日本に帰国。 表紙は、いつもの私なら手に取らないなあ、たまたま気分転換にと、読んだことのない作家を選んでみただけだったから。 |