2006年度 栞 記録       

読書会 栞 Top

テーマ 推薦者
4/25 東野圭吾         「容疑者Xの献身」 「手紙」 「百夜行」など  他
5/23 角田光代         「対岸の彼女」 「恋愛旅人」 「presents」
6/21 帚木蓬生  (2回目)  「エンブリオ」 「臓器農場」
7/19 山田風太郎
8/16 司馬遼太郎        「坂の上の雲」  他
9/20 文学散歩    司馬遼太郎 記念館     東大阪市
10/18 ダン・ブラウン      「ダヴィンチ・コード」
公民館祭り準備
11/4・5 公民館祭り    活動記録 展示
11/15 藤原正彦         「国家の品格」
12/20 高嶋哲夫         「M・8」  「津波」
1/17 反省と計画
2/21 G・ガルシア・マルケス  「予告された殺人の記録」
3/21 アレクサンダー・ケント   海の勇士「ボライソー」シリーズ


4月                  

読書会  栞  記録               2006年4月25日
東野圭吾を読もう
1958年大阪市生まれ。大阪府立大学電気工学科卒。
エンジニアとして勤務しながら小説を書き、
85年、「放課後」で第31回江戸川乱歩賞を受賞、その後執筆に専念。
99年、「秘密」で第52回日本推理作家協会賞を受賞。
2006年、「容疑者Xの献身」が第134回直木賞受賞。
M・K  「白夜行」  20年にも及ぶ二人の物語。幼い時に落ちた落とし穴から這い出ようともがくふたりには決して明るい光は当たらない。主人公の内面は一切描写されていない、行動ですらすべてが描写されるわけではないが、心を失った人間の悲劇を描く その道行きは暗くおぞましく、利己的である。それゆえに哀切を帯びている。読む者の心を動かすミステリーである。

H・T 「ユーモア推理小説 殺人現場は雲の上」  性格も容姿も違う2人のスチュワーデスがコンビで遭遇する奇妙な事件を面白く読んだ。皆さんの話を聞いて出来たら「手紙」やその他の本を読んでみたいと思ふ。又此の1年もいろいろの作家の本を読める事を楽しみにしている。
R・K 「放課後」  すっと入っていける感じの文章で読みやすく、でもトリックにどんどんひっぱられて読み終りました。出来れば「手紙」等、“しおり”で深めてもらった作家への関心を、さらに強く出来ればと思いました。

N・W 時を忘れ、我を忘れて物語の世界に没入する喜びを感じさせる作品の書ける東野圭吾さん。まだ五十歳前の人だから、この先どのように素晴らしい作品を世に出されるか期待しています。願わくば「手紙」のような作品を書いて欲しいです。

H・T 「殺人の門」  裕福な家庭に生まれた男が、親が没落し、また自分も成長するなかで、友達の悪意を時々感じながらも付き合いを断ち切れず、最後に殺人に手を染める、という話です。主人公が優柔不断な性格で私によくにているせいで、読んでいて感情移入、というんですか結構面白かったです。東野圭吾の本は、ほかにも読んでるんですがほとんど忘れているため、この1冊だけの読後感です。
M・M 「白夜行」 「幻夜」  男女の関わりなどが似ていましたが、読みやすかったです。今は「容疑者Xの献身」を読んでいます。皆さんの話を聞いて次の本を読んでみたいと思います。
T・Y 「白夜行」  20年にも及ぶ男女の物語をふたりの内面を一切描かず、動機すらも描かない複雑な構成で描かれており、もう一度読み直しをしないとまだ納得できておりません。

J・Y 東野さんは、いろいろなテーマを取り上げてあって、今までに11冊を読みました。クローン問題、少年犯罪問題、性同一性障害、など考えさせられるものも多くありました。軽い内容のものもありますが、良かったのも多いので、新作も読んでみようと思っています。私のお薦めは「手紙」 「さまよう刃」 「天空の蜂」です。

M・K 人気の東野圭吾さんの話の展開は引き込まれました。現在 社会問題になっている事を先取りしている内容に感心させられます。

M・I 時間がなく読むことができなかったのですが、皆さんの話を聞き、読んでみようと思いました。「白夜行」は、テレビドラマで少し見たのですが、本とは違う感じの様でした。「容疑者Xの献身」を読んでみようと思いました。

T・S  「手紙」  読み進み佳境に入っているときに玄関チャイムが鳴りましたが、居留守を使うほかありませんでした。涙と鼻水でとても出られたものではありません。それほど、心がふるえました。平野のように語れる人物が身近にいないのが現実だから、この本は貴重です。

Y・Y
おりひめ
作品が多く、どれを選んで読んだかで東野氏への評価が異なるようです。特徴は読みやすい文章、複雑な人間模様や設定(懲りすぎの感あり)、理系出身の作家らしいテーマを選ぶことが多いことでしょうか。私にとっては、読書中は面白いけれど、作品を読みつくそうと思うほど夢中になれる作家ではなかったというのが「手紙」「悪意」「分身」「幻夜」を読んでみての感想です。


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読書会 栞 記録             2006年5月23日
テーマ    角田光代作品を読んで    「対岸の彼女」など
1967年、神奈川県に生まれる。早稲田大学文芸科卒。
第9回海燕新人文学賞受賞(1990)  「幸福な遊戯」
・第18回野間文芸新人賞(1996)  「まどろむ夜のUFO」
・第13回坪田譲治文学賞(1998)  「ぼくはきみのおにいさん」
・第46回産経児童出版文化賞フジテレビ賞(1999)  「キッドナップ・ツアー」
・第22回路傍の石文学賞(2000)  「キッドナップ・ツアー」
・第3回婦人公論文芸賞(2003)  「空中庭園」
・第132回直木賞(2004)  「対岸の彼女」
N・W 東野圭吾氏にしろ、角田光代氏にしろ、印象の薄い、濃い作品など、あたりハズレがあるなと思います。でも、二人共将来性のある若い作家なので陰ながら応援していきたいものです。角田さんは、なんでもない日常の中のなんでもないことを飾り気のない言葉で書きつづられたものが多く、入りこみやすく共感しやすいと感じています。

S・M 全体的にどの本も身近な女性にありがちな心理状態の表現のしかたに共感がもてたが、旅好きな為かエッセイ集的な書き方、暗いイメージが今一。明るい内容の本に出合いたいものです。
T・Y

今様の軽いノリで一組の病める家族を中心に、その生き様をこれほどしつこく克明に仕立て上げた作品は他にはまだ知りません。最後まで読み終えましたが大変疲れました。

M・K 人間関係が素直に描かれていておもしろいと思いました。人と人の結びつきが希薄に思える時代ではあるけれど、時代背景の違いがあっても変わらないのを感じます。

M・I 今日は本に対していろいろな意見があっておもしろかったです。対岸の彼女は30代の女性達の行き方、考え方の一部が描かれている作品で、若いころを思い出しました。

H・T 「いつも旅の中」「対岸の彼女」「プレゼント」特に印象深いのが対岸の彼女で、過去と現在を話が振れますが読み易い文体もあってとっつき易く、すごくおもしろく、読んでて切ない感じもあってすごくファンになりました。

J・Y 「対岸の彼女」を読みました。私としては、若い主婦の感じる悩みってこんなのかな?と思いました。こういう境遇の人は読んで共感を持ったりするだろうなと思います。私としては、いまひとつ読後に満足感が持てなかったです。

M・K

「おやすみ こわい夢をみないように」、「殺したい」と「殺す」の間にあるもの
角田さんの最新作品は、日常にひそむ憎しみ、殺意を描いた短編集(七つのドラマ)である。温厚な角田さんのキャラクター(4/2NHKの「先輩ようこそ」の映像を見て感じた)からは想像もつかない意外なテーマである。作中の主人公達は殺したいほど相手を憎みながらも、やり場のない怒りを鎮めていく…… 憎むとか殺したいとかという気持は、誰かに会いたい好きだと思うのと同じくらい普通日常のことではないだろうか。実際に人を殺す行為は全然別の非日常的な次元にあると思う?

T・S 「対岸の彼女」ティーン向けのライトノベルスの延長で、対象を少し年長にしました、という印象を受ける内容でした。主人公達が自分の環境の中でいろいろ感じ、成長していく物語なので、こういうのも時には読みたくなります。再読しようとは思いませんが、魚子のその後が気になるところではあります。

Y・Y 普通の生活をそのまま切り取り、なにげなく過ぎていく生活に目を向けさせ、等身大の自分を見つめたり同感したりできる。簡単に書けそうに見えるが文学賞を多数受賞するのは、表現力が優れていて玄人受けするのかもしれない。ただ、この雰囲気を楽しみたい人にはいいと思うけれど、重厚な物を求める人には手ごたえがないだろうし、私は苦手。
対岸の彼女」「まどろむ夜のUFO]


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読書会 栞 記録         2006年6月21日
    帚木蓬生  2回目    「エンブリオ」  「臓器農場」
1947年、福岡県生まれ。東大仏文科卒業後、TBS勤務ののち九大医学部卒業。現在、精神科医。1979年、海外を舞台としたサスペンスの、わが国での魁をなす「白い夏の墓標」を発表。直木賞候補に。英語、フランス語のほか韓国語もこなす語学の達人でもある。ヒューマンな筆致。

  第6回九州沖縄芸術祭文学賞(昭和50年)「頭蓋に立つ旗」
  第3回日本推理サスペンス大賞佳作(平成2年)『賞の柩』
  第14回吉川英治文学新人賞(平成4年)『三たびの海峡』
  第8回山本周五郎賞(平成6年)『閉鎖病棟』
  第3回福岡県文化賞(平成7年)
  第10回柴田錬三郎賞(平成9年)『逃亡』

帚木 蓬生  本名:森山成彬(もりやま なりあきら)。
<帚木蓬生>・・・『源氏物語』の巻名から取ったペンネーム。
<ははきぎ><よもぎう>という巻名を2つつなげる

九大受験前、模試を受ける時に使った名前が<帚木蓬生>だった。なんで、偽名が必要だったかと言うと、模試の会場が出身高校で、もし本名で受けたら、先生方に「東京に出て、就職もして、結婚もした生徒が、なんでいるんだ〜?」って、思われるのが嫌だった、ということらしい)

H・T
「エンブリオ」すごく恐ろしい本を読んだような気がします。生殖医療の進歩、そして、それについていけない日本の法体系、社会倫理、特に作中で妊娠中絶の数は、生まれてくる新生児の数よりはるかに多いという指摘、作者はおもい問題を提起しています。読むのが恐ろしいような内容でしたが、夢中で、読んでしまいました。でも、小説の中身としては、殺人をいれなくてもよかったんじゃないのかなあ?
J・Y

 
 医学について考えさせられるところの多い内容でした。臓器移植については、娘とも話し合う機会のあるテーマですが、はたして良いのかどうか結論がなかなか出ません。医学の蔭の部分で研究している人たちに益々の努力をお願いしたいと思います。

H・T
 二度目の帚木蓬生を勉強することになり読めば読むほどテーマの重い小説を実感している。「エンブリオ」を早くに読んだが、読みかける程何とも表現できない気持ちになった。現在少子化が多く取り上げられる時、この小説のような事が実現したら世の涯だと思うし、もっと違う良い方で医学が進んで人が幸せになる事を祈るばかりである。
N・W
 「エンブリオ」を読んで一番心に残った言葉「哲学のない高度先端医療技術は狂気(凶器)」であり、「患者のため」イコール「絶対者」ではない――ということである。(解説より)いろいろ考えさせられた作品であったが、現実の世の中も小説以上に荒れすたれた事件が多く、せめて仮想の世界(小説の世界)くらいは(人間っていいな、生きるっていいな)とほのぼのとした気持ちになる作品を読みたい!と強く思った。
S・M


 「エンブリオ」を途中まで読んで専門用語が多く、男の妊娠、死人の臓器摘出、臓器移植等、犯罪まがいの研究をする主人公・・・・・・こわい話だ。最後まで読まずに止めてしまうかも・・・・。みなさんの感想が聞けただけで満足です。

T・Y

 臓器移植をテーマに、医学に携わる人々の野心と名誉欲から殺人者へと暴走する姿を、拝金主義や極端な個人主義に陥りやすい現代社会の負の部分とからめて描く。登場人物に女性を多く配置している。又少々障害のある車掌さんの無脳症児も人間と云わせて私達に生き方を問うている。

T・S


 医療技術と科学技術の行く先にあるのはともに 「人間って何?」という命題であり、実はこれが出発点であるはず。それなのに置き去りにされていることこそが問題なんだと作品が訴えている。科学や医学が時に暴走するのは歴史的事実だから、専門家の良心に任せていては現実に必ず逸脱が起こるでしょう。といっても、私たちひとり一人に何ができるというのでしょう。このような読み易い物語から考える糸口をもらうのは、とても貴重なことです。

R・K
 昨日もインドでテロがあったと報ぜられ、罪無き多くの命が失われてしまいました。
国内でも毎日のように殺人事件が伝えられている。でも、失われようとしている身近な命に対して必死に守ろうとしたり、血のつながるわが子を望んでどんな思いで生きてきたのかと察する人にもあったりする。医療は命を守る仕事であり、だからこそ本来の道を見失わないようにあって欲しいと願います。マスコミの世界から一転学びなおして医師としての立場にいて、これらの本を書いている帚木氏の書を、世の中の動きとあわせ見ながら読んで行きたいと思っています。
M・K
 エンブリオ(胎児)「体外受精に関しては日本には一切法的な規制はない。一種の無法地帯であるといっていいと思う。わが国では12週未満の胎児は、法的には人としてみなされていない」と書かれている。こと生殖医療に関しては、主人公産婦人科医師が、中絶胎児を利用し尽くし自分自身人とのつながりがないように冷酷である。わが国における法の不備と「先端医療」にとりつかれた医師の狂気により、歯止めのきかなくなった医学・医療の行き着く先は……。終りが近づくにつれ身震いするような思いで読みました。
Y・Y


 院長の産婦人科医、岸川卓也は、善人なんだか悪人なんだか、不思議な人物。悶々として悩むこともなく、淡々と倫理に反する医療行為を重ねていく。不妊治療と人工妊娠中絶のどうしようもない現実の矛盾、当事者でなければわからない苦悩を考えると、技術があってその恩恵を受けて喜ぶ人がいるなら、医者をとどめることは出来ないのではないか。他の作品では善人を登場させる帚木氏だが、この岸川を敢えて悪人として描くためにサスペンス仕立てにしたのかと思う。「生命の尊厳」に対する多方面からの問題提起がされていて、考えさせてくれる作品。
逃亡」「空山」「エンブリオ」「総統の防具」「三たびの海峡


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読書会 栞  記録        2006年7月19日
山田 風太郎

一九二二(大正十二)年一月、兵庫県養父郡関宮町の医家に生れる。
三六年中学に入学、その頃の仲間の渾名が雲太郎、雨太郎、雷太郎で、筆名・山田風太郎の契機となる。
四九年、「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で第二回探偵作家クラブ賞を受賞。
五〇年、東京医科大学を卒業するが、医師の道を進まず、作家として身を立てる決心をする。

 『甲賀忍法帖』『くノ一忍法帖』を初めとする、風太郎忍法を生み出し、忍法ブームをまきおこす。さらに四八年より『警視庁草紙』『幻燈辻馬車』『明治波濤歌』など、独自の手法による〃明治もの"を発表、ファンをうならせる。
他に『人間臨終図巻』『あと千回の晩飯』など死をみつめた作品もある。
二〇〇一年、尊敬する江戸川乱歩と同じ、七月二十八日没。

J・Y
 皆さんの話を聞いていると、いろいろな種類の内容の本があるようで、興味があります。「忍法八犬伝」は、内容についていけれない所がありましたが「警視庁草子」は、時代背景が面白く、登場人物も知っている名前が多く、興味を持って読みました。
R・K
 作家「山田風太郎」は最近知ったばかりですが、「忍法・関が原」の1冊を玉置さんからお借りして読む事が出来ました。文の流れや歴史的な資料等、ぐんぐんひきつけられる所もありましたが、忍者の命をも差し出す働きぶり等、色々知識的にもついてゆけない所も多くありました。例会の話し合いの中で、この先も様々な作品を読む機会をもっていきたいと思いました。
T・S
 「明治小説全集」からほんの少しつまみ読みしただけですので、この人のおかしみを十分味わってはいないと思います。でも、将来今より気持と時間にゆとりができたらきっと読みたくなるだろうなという予感はあります。明治の人々の生き様に興味があるし。いろんなパズルが好きなのに、今は封印しているのと同じ感覚。
H・T
 若いころに忍法帖シリーズを読んでずいぶん破天荒な小説だけどすごく面白買った記憶がありますが、その後の明治物シリーズも歴史上の事実とフィクションの組み合わせがうまくて相変わらず面白い小説を書く人だと改めて思い返されました。私の好きな小説家の一人です。
T・Y
 「十手架」の主人公原胤昭の八丁堀同心から、日本で最初の教誨師への転身を感動をもって読みました。人物や事件を丹念に調べて旨くフィクションにはさみ、私はぐいぐいと引きこまれ心が揺さぶられました。
Y・Y
 明治小説シリーズは最近知ったのですが、忍法帖とは違う面白みがあります。歴史上の人物が次々と出てきて、殺人とか極悪非道のことをした人と政治犯がからんだり、実在の人と架空の人物がわたりあうスリルの面白さ。落語家の話術のような言葉の調子で読みやすく、あったかもしれないしなかったかもしれないと楽しませてくれます。次は是非、「南総里見八犬伝」を簡潔にまとめながら、馬琴が八犬伝を書いていく様子を描いたとされる「八犬伝を読んでみたいと思います。
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八犬伝」明治小説全集「警視庁草紙」「エドの舞踏会


8月                   戻る  

読書会 栞 記録              2006年8月16日
来月の司馬記念館見学に備え、司馬作品を読もう
N・W  「栞」で取り扱っていただいたおかげで読むことができた司馬遼太郎の作品でした。こういう点においても、この読書会に入れていただき感謝です。新しい世界に目を開かされた気がします。これからぼつぼつエッセーから読んでいきたいと思いました。
J・Y

 あまりにも有名であって、なかなか手がつけられなかった作家です。むつかしい、堅苦しい、と思い込んでいたのに決心して読んでみたら長さが気にならないくらいに読み易かったです。わかりにくい箇所には解説を混ぜながら・・・・という独特の書き方で、ユニークさもあり勉強にもなりました。主人公への思い入れが非常に感じられました。エッセイ集と「菜の花の沖」「最後の将軍 徳川慶喜」を読みました。まだ、他の作品も読み続けたいと思っています。

H・T  おもに歴史小説を沢山読んでみました。私の一押しは「燃えよ剣」です。土方歳三についての本で虚実とりまぜての内容ですが実に生き生きと描かれていて面白かったです。

S・M  「燃えよ剣」幕末、風のように京の街を駆け花のように散っていった浪士集団「新撰組」。その新撰組を最強に仕立てることだけに生きがいを感じ剣に生き剣に死んだ土方歳三の物語、NHKの大河ドラマを思い出しながら読みました。歴史にうとい私でも読みやすかったですが・・・・・時代物は苦手です。

R・K  NHKの「街道をゆく」等で名前は常に耳にしていて、とても知っているつもりであったが、エッセイを一、二文読んでみても、いかに博学、博識であるか、という事がわかり、これから先少しずつ知ってゆくためにも来月記念館を訪ねる事がより楽しみになりました。
M・M

 私の好きな作家であり尊敬する方であります。司馬さんの書かれた人物像は生き方を学ぶひとつの人生哲学がある気がします。また、司馬さんがその登場人物をこよなく愛しているからこそあそこまで書けるのだと思うことがありました。
 また、街道を行くなどはいろんな事の発見ありで素晴らしいと感心いたします。日本人のルーツの解き明かしなど。まだまだ知りたいことたくさんあります。

Y・Y
おりひめ
 歴史が好きなので司馬さんの作品はたくさん読んできました。物語が進む中で、閑話休題、として興味深いエピソードを入れたり解説が入ったり、簡潔でわかり易い文章でもある独特の作風が私の波長に合うのだと思います。かつて糸川英夫さんは司馬さんについて『科学者である』と断言したほどの論理的思考で歴史を描いていく所が魅力です。
殉死その他


9月                       

司馬遼太郎 記念館を訪ねて
探訪日程    写真

10月             戻る

読書会 栞 記録           2006年10月18日
ダン・ブラウン  「ダ・ヴィンチ・コード」
H・T  今回読んだ、ダ・ヴィンチ・コードですが、私にとってはかなり難しい内容でした。この話はキリスト教(聖書)についてのある程度の知識がないと面白さがわからないような気がします。むしろ、もう一冊読んだ「天使と悪魔」のほうが読みやすくて面白かったです。
N・W フランスのルーブル美術館の逆さピラミッドの下の小型のピラミッドに聖杯がある――という結末部分を読み“あーもっと逆さピラミッドをよく見てくれば良かったぁ〜”と思った。この本はもっと早くじっくり読んでからルーブル美術館に行けばよかったと、かえすがえすも残念に思った。内容的には面白かったが、事実とフィクションと違いを間違えないようにしなくては、と肝に銘じた。
R・K 私の頭の中で“コード”という言葉だけが生きていて「解説書かしら?」なんて今月に入るまでのんびりしていたが、Book off にて3冊315円で購入出来て、外国人名と闘いつつ3分の1弱を読みました。面白いとは思いながら栞で皆さんの感想を参考にして読破して映画もみたいと思っています。
S・M 読書会で取り上げてくれたおかげで読めた外国文学。サスペンス調の所がおもしろく、読めてよかったです。レオナルド・ダ・ヴィンチの絵を鑑賞したいな!
M・K 多くの人に読まれている本だけに楽しみにして読みました。ミステリアスな面白さは良く書かれていると思いますが、結末がなぜか物足りなく感じました。
J・Y ストーリーが面白くて、内容の真偽はともかく、あっという間に読んでしまった記憶があります。有名なダ・ヴィンチの作品と宗教問題を織り交ぜて興味ある内容だったと思います。ルーブル美術館へ行く人も増えたのではないでしょうか。テレビでも話題になっている作品ですが、ストーリーの展開性は上手だなと思います。
T・Y ようやく上・下巻を読み終えました。私には手ごわい、大変手ごわい一冊でした。

T・S

ソニエールが襲撃されラングドンに連絡が入ったのが夜中の12時32分。長々と話し移動し逃げ回り暗号を解きそしてイギリスに着くのは夜明けである。遅い!時間のたつのが遅過ぎる。私は読みながら時間感覚が麻痺し混乱してしまった。何百年もの間秘密にされていたことがあっと言う間に解き明かされていく急展開ストーリーだ。もっともらしいけれど都合のいい説だけをちりばめてあるんだろうなぁ。それでも、世界を変えてしまうほどの真実が隠されているという序盤から中盤は大いに盛り上がって読むにも気合が入った。それなのに、ラストが小ぢんまりとし過ぎて「あらっ?これで一件落着にしちゃうの?」と梳かされた気分で読み終えた。今、田中さんお薦めの「天使と悪魔」を立ち読み中(文庫「中」途中)だが、おもしろい。あやしいと感じている人物が犯人かどうか楽しみだ。

おりひめ 品揃えを重視した「大衆レストラン」のような作品だ、という書評家の言葉が示すように、この一作を読めば研究書をまとめて読んだような満足感があった。ところが、書かれていることは事実ではなく、聖杯伝説とダ・ヴィンチの絵の謎を題材に学説、仮説、伝承、伝説、噂までが使われていたことがわかってがっかりしたものの面白いことは間違いない。
ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」「デセプション・ポイント」「パズル・パレス


11月                         

公民館祭り
活動展示    古本バザー

11月

読書会 栞 記録             2006年11月15日
藤原正彦    「国家の品格」
N・W  共感できる部分と違和感のある部分とないまぜになった本であった。藤原正彦氏らしからぬジャンルやテーマで無理して書いちゃったな、という読後感。荒れた自然、荒れた社会への警鐘として書かれたものであろうが抽象的な言葉が多い。また、ひとりよがりな感じを受けた。洒脱なユーモアたっぷりのエッセイストであってほしい。

R・K  珍しく友人からお借りして早く読み終えてしまったため、ユーモアがある人だというくらいしか具体的に残っていなかった。少し読み直し、外国暮らしの中から自分で感じた大切なものを発言した本が、世の中にベストセラーとして読まれ、マスコミに取り上げられていることで多くの意見が出ているが、本音を語り合える『しおりの会』の価値の大きさを再確認しました。

S・M  「この国のけじめ」を読んで   名誉は命より重いとされた武士道教育、現在の「ゆとり教育」、学力低下の要因?アメリカ式市場原理からの成果主義とリストラ、共感できる点とできない点が有ったけど、色々考えさせられる本でした。

J・Y  たいへん読みやすく、数学者ならではのエピソードとか楽しく読みました。中には古臭い考えだな、と感じる部分もあって年齢の差を感じました。日本の伝統を伝えるべきだという考えや、アメリカ模倣ばかりではいけないという所はたいへん納得できます。むずかしい内容ですので全ての人に共鳴できる考えはなかなかないと思いますが、物事を深く考えることは良いと思います。

H・T  読んでみて、うなづけることが多いし、なるほどとも、思いますがこの本がヒットしたというのは、少しなさけないような気がします。国の品格などは国民それぞれが、作っていくものだ、とはみんながわかっていることです。じゃあ、お前にはなにができるんだ?といわれると考えてしまいますが・・・ 。
T・S  藤原氏と彼の主張については短時間印象を語り合うくらいにして、本題としては今日の日本の問題点を私たちなりに分析し解釈して、世の中というものを理解し今後に活かす糧にできるような、深めた話し合いができるのではないかと思いました。そんな気にさせてくれる本書ですから、私はベストセラーも肯けます。結果は、時間切れ・・・かな。会の進め方がまずくて申し訳なかったです。
 ところで小学校での英語教育については、私は賛成の立場です。国策として英語を無視できない以上、音感の未成熟なうちに国語と外国語両方の音を耳に入れてあげるのは後の苦労を考えるととても有益だと思うのです。英語を学ぶと考える力が育たないというのは指導の方法に問題があるのであって、どうやって教えるか、まさにその方法論こそが大切だと思います。
おりひめ 数学者でありながら、ユーモアたっぷりで巧みな文章家の藤原氏は、中味のない英会話より、日本語で考える力が大切だ、それには読書が大切と力説していて、共感しました。講演録を元にした文章なので簡明でとっつきやすいですが、読みやすくて簡単だから売れるという最近の現象は、氏が憂える学力、教養低下を表してもいるようで皮肉に感じます。共鳴できない部分もありますが考えたり話し合ったりするきっかけになると思います。
「世にも美しい数学入門」「国家の品格]この国のけじめ]


12月                戻る

読書会 栞 記録                2006年12月20日
高嶋 哲夫  「M(エムエイト)」「TSUNAMI」
1949年、岡山県生まれ。90年「帰国」で北日本文学賞、
94年「メルトダウン」で第1回小説現代推理新人賞。
科学者としては79年、核融合炉「JT60」の開発に携わり、日本原子力学会技術賞を受けた。
神戸市垂水区在住。
理系の作家ならではのハイテクを駆使して活躍する主人公、ハリウッド映画を見るようなアクション。
N・W  「ミッドナイトイーグル」核爆弾を積んだステルス爆撃機が日本の上空を飛んでいる――こんな事が実際にあるのかどうかわからないが、我々国民が知らされていない事がたくさんあるのではないか。又、政府にとって都合の悪い事はやはり我々には知らされていない事がたくさんあるのではないか、などなど今の暮らしを振り返ってじんわりとした恐ろしさを感じた。

私たちは目を開き耳をすませて、この地域の日本の世界の動きを見守っていかなくてはならないと思った。

S・M  地震研究家が主人公の「M」、クローン人間、永遠の命がテーマの「命の遺伝子」を読みました。科学者である作家の本なので専門用語が多く苦手な分野でした・・・・紹介されなかったら手にしなかったでしょう。今日の皆さんのお話が参考(地震対策)になりました。
R・K  課題の本が手に入らず、作者を知るためにと借りた「命の遺伝子」と「アフガンの風」を読みました。コンピューターの事などついていけない内容も多かったし、クローン人間を一部の人のために作っているのは現実かしらと恐くなったりしたけど、面白くて「M8」「津波」もぜひ読みたいと思いながら皆さんの話を聞きました。
H・T  「津波」迫力ある描写、特に自分達の住んでいる地域に関係する東海・東南海の地震及び津波の描写がすごく臨場感があって一気に読みました。M8以上の地震があった時は震度7.0クラスの揺れがあるとすると実際はどうなのだろう。経験のしようもないことですが・・・・(その時は最初で最後)。
 高嶋哲夫さんの本は好きでけっこう読んでますが、やっぱり面白い。

T・Y  「M8」は途中下車。そこで「虚構金融」に切替えました。破綻寸前の三友銀行に公的資金が投入され、福富銀行と合併した直後に金融庁長官の岩城孝之に金が流れたとの匿名による告発状が東京地検に寄せられ、東京地検特捜部検事の「権力に屈せず、権勢を恐れず」の検察魂をもって政治家と財界、官界の腐敗を暴く一連の物語を最後まで小気味よく読むことができました。

J・Y  地震、原子力、コンピューター、軍事兵器など、私の詳しくない分野を楽しく読みながら勉強させてもらい視野が広がった気がします。私達の知らない所で科学者や研究者が頑張っているんだな・・・・・。こんな社会があるんだな、と社会勉強にもなりました。新作を楽しみにしています。

T・S  必ずいつかは起こりうる広域大規模自然災害に、どう対処するか。個人レベルでは「人それぞれでしょ」という言い分もありだろうが、自治体や国の行政レベルでは綿密な物品準備と行動マニュアルが必要だ。平時に非常時の用意をするのは大変な意志の力を必要とするから、危機意識を高めるために書かれた「M8」「TSUNAMI」の価値は高いと思う。
おりひめ  ほとんどの作品が、理系の作家ならではのハイテクを駆使して主人公が活躍する、ハリウッド映画を見るようなエンターテイメントになっていて楽しめます。
 ただ「M」「津波」に関しては、楽しませる比重を減らし、啓蒙の部分を増やしたので蘊蓄や説明が多くなっていると思います。身近に迫る危機をわかりやすく教えてくれる必読の書です。関心のある原子力やコンピューターを扱った「メルトダウン」で知り、それ以来ずっと追いかけている作家。


2月                             戻る 

読書会 栞 記録              2007年2月21日
G・ガルシア=マルケス    「予告された殺人の記録」
H・T あとがきを読んでから本文に入った方が良いとの事で、そのようにして読みましたが、成程、時間構成が過去、現在入りまじる感じで少し注意が必要でした。内容は古い地域の人間関係及び共同体での仲間内での殺人(実話)をあつかっていますが、ちょっとふしぎな雰囲気を持った本です。話のバックとなるラテンアメリカの文化等に詳しければもっと面白く読めるのではないでしょうか。

M・M この本を読んで感じた事は、難しい!のひとことだった。読んではいくのだけど、内容がつかめない。お国柄なのだろうかと感じつついました。が、今日ここに来て話を聞いて気持ちがすっきりしました。“マルガリータの沈黙”をみせていただき分かりました。また違った意味で感じてみたいと思いました。

T・Y 誠にふがいないことに、ノーベル賞作家の作品を、私は読み熟すことができませんでした、残念。

J・Y

国民性や風習を考慮しないと、小説の内容は日本人の私にはちょっと理解できにくいできごとでした。コロンビアならではの特異な臭いが話の中に漂っているように思いました。
 毎日新聞の藤原章生さんの記事を読んで、事件の背景、お国柄がよくわかってよかったです。外国の物を読むのには、頭の中をその国の色にしてから読むべきだなと、勉強になりました。

N・W

「訳者のあとがき」を読むと、この作品には深い深い意図があり単純な殺人事件ではないとあるが、そんな風にはとても読めなかった。とにかく登場人物が多く、そしてそれがカタカナ書きなので少しも覚えられず何度も読み直した。
 どうして殺人事件が起きたのか、また前もって殺人事件が起きることがわかっていたのになぜ、とめられなかったのか、よくわからない。わからないことだらけの外国の作品を読んだなというのが正直な感想。やはりノーベル文学賞をもらうような作家の作品は難解。何を言わんとしているか凡人にはわからない。
 翻訳ものを読むといつも思うこと、原文を読めれば翻訳を通して読んだ感想と全く違うだろう。訳者にとって翻訳の仕方が違うだろうし、内容の印象も違ってくるだろうと思う。

R・K 読書会でとりあげられたから読めたし内容がつかみづらかったけど、会に来て皆の感想を聞き、資料を読ませてもらい、なんとか、一人の女性の不幸な人生の歴史を少しでも理解することが出来たように思います。事件が起きた事の不幸、半世紀もたって文学として自分が人の世にさらされた不幸。そんな事を考える様になっただけでも会員である事を、いつもながら感謝します。

S・M 海外文学は、むつかしくややこしい(翻訳者にもよると思うが)。日本文学では、有り得ないミステリー、2回通り読んでみたけど、人名にもなじめず、この本には私の頭がついていけません。

M・I なぜ、この主人公に、誰も殺人のことを注意してくれる人がいなかったのか、分かりませんでしたけれど、新聞の資料を見て、この町の人の常識や生活が事件を起こしたということが分かりました。

H・T とても難しい本で、私の頭ではとても理解も出来なかった。香取さんの新聞のコピーをいただいて、少しばかり又皆さんの話を聞いてわかる様な気がしたが、私にはとてもわからない本でした。しかし、このような本を読む機会を与えられ、栞の会に感謝しています。

M・K

あらかじめ犯行は予告されていたにもかかわらず、なぜ彼は滅多切りにされねばならなかったのか?
 閉鎖的な田舎町で約30年前に起きた殺人事件の全貌を明らかにするという、一種の推理小説となっている。差別や妬み、憎悪といった民衆感情、崩壊寸前の共同体の組織を語り手の「わたし(作者)」がリアリティーをもたせつつ 事件を浮かび上がらせていると思う。哀しみと滑稽、郷愁を感じる。

T・S

「予告〜」は作者の代表作でありかつ自信作と解説にありますが、私にはその良さがわかりません。閉鎖的な村に入り込んだ異質なモノへの憧れと妬みが、双子の兄弟の行動であり見守る村人の反応となっていて、間接的に、伝統と新しい価値観のゆらぎを表現している点が「文学」なのでしょうか。始まりがサンティアゴの観た夢の話であり、彼の思考と感覚が描かれるのでてっきりサンティアゴまたは神の視点かと思いました。ところがすぐにそうではないとわかります。友人である「わたし」が、なぜ何年も過ぎてから「散らばった破片を集めて砕けた記憶の鏡を元通りにしようと、この忘れ去られた町に戻ってきた」のか不明なので探求への同情もできず宙ぶらりんのまま読んだ気がします。この作品のどこがいいのでしょうか?
   「百年の〜」劇画的で、現実と非現実的要素が同居しているし、かなりオーバーな比喩なのか大事なことを暗示しているのかさえわか  りません。さらにいえばこの物語が大昔なのか近い過去なのか、ひょっとしたら未来であってもいいような不安定な時間の流れがあります  。大学のゼミのように少しずつ解釈しながらじっくり読み込めば味わいがありそうに思いますが、私はもう結構です。

M・I 本を読んでもあまり内容がつかみとれなかったのですが、読書会当日、新聞記事を読み、話を少し読み取る事ができました。この本は、じっくり読まないと理解する事が出来ない本でもありました。

M・K

提案した私にとっても読むに困難を伴いました。皆の感想も一様に理解し難いという事でしたが、納得です。
 ガルシア・マルケスがなぜ読まれ、人によっては多くの感動を与えるのか、その点でも、私のレベルでは計り知れません。ラテンアメリカを知るきっかけとなった点で引き続き、類する本を読めたらいいかなと私なりに思いました。

おりひめ

読み始めてしばらくは、なじみの無い名前や人間関係が頭に入らず、今と過去も混ざり合い、混乱したままだった。最後まで読んでからもう一度振り返るとようやく小さな出来事の意味もわかってくるのだが、訳者の解説を読まなければ何もわからないのは、自分の読解力が無いゆえか。
 「百年の孤独」も読んでみると、それが『かつては新大陸と呼ばれた土地の自然と人間の特異なありようを十全のかたちで表現した』ものであるとの説明から、西洋とコロンビアとの違いを知る作家が、この地域特有の部分を描き出そうとして有名な事件を取り上げ、推理小説仕立てで書いたものだと思うようになった。
予告された殺人の記録」 「百年の孤独

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3月

読書会 栞 記録                       2007年3月21日
海の勇者「ボライソー」シリーズ   アレグザンダー・ケント
R・K 3ヶ月も前にお借りした(10/18〜)日付を気にしながら、終わりの1ヶ月に何とか9割読んだけど、流れがつかめない事と、船の事、海軍の事等々、知識の不足でつかみきれないもどかしさの中での読書でした。でも止めようとしてもキラッと光る文章の面白さに惹かれて続きました。わかる所は人物や場面がとても生き生き描かれているので全体をつかむために再読を決心しました。

S・M 「危うしわが祖国」を読み始めてみたが意味が分からず、又前に戻りしましたが・・・・どうしても読みきる事ができませんでした。みなさんの話を聞いて大変感動された人がおり、再度「読んでみよう」という気持ちになりました。

T・Y 「コーンウォールの若獅子」〔6〕を読んで――――世界の海を制覇した英国人らしい作品と思う。士官候補生の海の活躍よりも、ボライソーと家族(母親)や朋友グンサーとの友情に共感。

H・T せっかくお借りした本だったが、なかなか読み続けなくて申し訳ないくらいでした。今日みなさんの読書感をお聞きし、ゆっくりと読んでみたいと思いましたし一人の人物を長く書き続けた筆者に感心しました。これからも少し長い本を読んでみたいと思います。

M・K

アレグザンダー・ケントという名を初めて知りました。読むまで中々手がつかず、どうしようかと思いましたが読み進むとなんと面白い内容で一気に読み終わってしまいました。ボライソーは大きく成長し、判断力、決断力の育成される過程は今の社会で抜け落ちたか注目されることない一貫性に基づいているのかと考えさせられた。

N・W 降参でした。翻訳ものは駄目だということを、又々、改めて確認。何とか読破使用と努力しましたが、矢折れ刀尽きました。読書会に参加し、いろいろな人が「面白かった」「ワクワクした」という意見を伺い、十人十色、人さまざま、だからこそ読書はおもしろいし読書会にも意義があると思いました。「栞」に入れて頂いていろいろな本を手にとる機会を与えられ感謝です。
M・K とにかく(おもしろい)の一言につきます。艦長の人となり、部下に対しての態度、思いやり、楽しく読ませていただきました。

J・Y

南海に祖国の旗を」〔5〕をお借りして、一応読んだのですが、本の世界が今まで自分が好んで読んでいた物とはあまりに異なるため、慣れるまでに随分時間が掛かった、というか最後まで慣れなかったというか・・・・・・・。この時代を背景に、こんなシリーズがあって、結構人気のシリーズなんだと知って勉強になりました。現在、自分の読みたい本リストに30冊くらいある立場ですので、このシリーズを再び手に取るのは少し勇気がいるなあと思いますが、1巻から順番に読んでいくとまた楽しく、内容も分かりやすい所があるかなと思いました。イギリス人のプライドが感じられる所、貧富の差がある事など、戦争よりもそちらに興味が持てれました。

H・T もう20年も前だと思いますが、最初やはり海洋冒険小説で人気のあったホンブロワーシリーズを読み、次に目にとまったのがこのシリーズです。読んでみると、ワクワクドキドキ、スリルあり、ロマンスありのすばらしく面白い本で、その当時次の号が出ないかと心待ちにした覚えがあります。何かを考えさせられるという本ではないですが、超娯楽小説で、私の大好きな本です。

T・S 何年か振りにファンタジー以外の冒険活劇物を読んだ気がします。若きボライソーが実に有能で、人生経験を経た人のように道理を見通すのには脱帽です。ワクワクというよりは感心しながら読みました。

おりひめ

わが指揮艦スパロー号」〔3〕は、軍功を認められ、ついに宿願の艦長昇進を果たし、スループ艦スパロー号が与えられて乗艦し、新米船長から一人前の船長に成長していくボライソーが描かれる。読みはじめは馴染めなかったものの、ボライソー艦長と副長のティロルや他の乗組員達が困難な任務をこなしていく中で心を通じ合い信頼しあっていく様子がいい。獅子奮迅の活躍をする青年艦長が魅力的

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